受験生なら誰でも知っているヘロドトスの「歴史」を、岩波文庫で読んだのは20代後半だった。
新バビロニア帝国をはじめとするセム系国家(古代オリエント)のくびきから脱して、彼らを滅ぼし、ペルシャ帝国を興したキュロス大王の事績から始まり、子と孫による2度のギリシャ遠征(ペルシャ戦争)を描いた歴史で、マラソンの語源になった「マラトンの戦い」や「サラミスの大海戦」はこのときのことだ。
これらの固有名詞も受験生なら必ず覚えなければならない。
だから大略は知っていたが、詳細を読んで、ボクは古代ギリシャに夢中になった。
30代のはじめ、知り合ったギリシャ語の先生に教わろうとしたら、古代ギリシャ語は日本人には難しいので、30になってからでは無理だよ~とにべも無く断わられた。
英文学者で詩人でもある高名な西脇順三郎先生の没後、場所は忘れたが没後展が催された。
晩年になってから、日本語とギリシャ語は同根から発していると信じるようになり、研究を重ねた大学ノートが展示してあったのでびっくりした。
で、今日の話だが、明治の人、矢野龍渓が日本ではあまり知られていないコリントス戦争当時のテーバイの話を書いている。
題名は「経国美談」(前編・後編)で、明治16年から17年にかけて発表された。
ギリシャものに現(うつつ)を抜かしていた頃、たまたま入った古本屋でこの本を手に入れることができた。
昭和5年発行の「明治大正文学全集」に東海散史とともに納められていたのだ。
知ってる人は少ないと思うので、まずは矢野龍渓なる人物から。
ウィキペディアにあったので、下記を読んでくれ。
次に「経国美談」もウィキにあったので、参照してくれ。
ウィキに書かれている「政治小説」なんて言葉だと、誤解を生むんじゃないかと心配になるが。
アテネもスパルタもテーバイも、主人公のペロビダスとエパミノンダスの2人もこんな漢字を当てていたのか~と面白いので、拡大すれば読めるようにしておいた。
となれば、ギリシャのバンドだよね。
ブロ友さんから教わった、90年代のかっこいいギリシャのガレージバンドの名前がどうしても思い出せなくなった。
スカイ・サクソンが加わった音も教えてもらったんだけど・・・。
仕方がないので代わりを行こう。
66年にアテネ近くの港町で産声を上げたバンドで The Persons。
評判のいい All the World Is Mine が今日の話(テーバイがギリシャの覇者になった)にぴったりなんだけど、ボクはこの曲があまり好きではない。
フリップサイドの Drive My Mustang が断然好みなので、こちらをどうぞ。こちらも甲乙つけがたい人気がある。
両面ともバンドメンバーのオリジナル。