南伸坊「仙人の壺」と Jimmy Page+John McLaughlin の共演 | 洋楽と脳の不思議ワールド

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南伸坊の「仙人の壺」はすこぶる面白い。

中国の仙人譚(たん)や志怪譚に材をとった数ページの漫画とエッセイからなっている。


「中国の怪談には奇妙なものが多い。読んだ後にポンとそこらにほっぽらかしにされる気分です」


と、伸坊さんが述べているような奇妙な題材が16篇収録されている。

ぜひ手に取ってお読みいただきたいのだ。

どんな風に面白いかというと、こんな具合だ。(拡大すれば読めるようにしておいた)







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孔子が「怪力乱神を語らず」と言ったものだから、儒教が支配的となって以後の中国では、怪異譚が少ないように思われがちだが、そんなことはない。無数にある。

そもそも古代の中国人は、怪異を信じて生きていたのだ。


貝塚茂樹先生の本で学んだんだけど、古代の都市国家では四囲に壁を巡らせ、門を開いて出入りしていたが、戦争のとき、敵はこの門を目指して攻撃していたという。

門の開いてない壁には呪(じゅ)がこめられているので、祟(たた)りを畏(おそ)れて攻撃できなかったというのだ。

漫画「墨攻」を読んだ人なら攻城機が登場するので「?」と思うかもしれないが、あれは戦国時代の話。

貝塚先生の話はそれ以前の話だ。


美術館で古代中国の青銅器(主に祭具)を見たことのある人なら、青銅器に施された饕餮(とうてつ)文を見たことがあるはずだ。

これも魔物で、王の権威を高からしめるために祭具の装飾に使われたのだという。

中野美代子先生の本で、後に、龍の一種とみなされるようになったことも学んだ。







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蘊蓄が長くなった。

この際だから、音楽も蘊蓄しよう。

ブロ友さんからジミー・ペイジとジョン・マクラフリンが共演しているレコードがあるよ、と教わった。

それがこの Hairy One というバンド名義のフランス発売のレコード(4曲入り)。

リリースは65年。

ネットには簡単な記事しかないので、売り込みだったのか、フランスのレコード会社の依頼だったのかはっきりしないが、Bobby Graham という人がメンバーを集めたようだ。

この Bobby Graham という人は、一般的知名度はないが、業界人としては、とても有名な人らしい。

ジョン・マクラフリンは、ボクはマイルス・デイヴィスの「ビッチェズ・ブリュー」で知ったのが最初だったので、ジャズミュージシャンだと思っていた。

その彼がマハヴィシュヌ・オーケストラというバンドを率いてロックを演るというので「火の鳥」ともう一枚アルバムを買ったのだけど、元々がロック畑の人だったのはブログを始めるようになってから知った。

オルガンの Kenny Salmon も業界では有名らしい。

ベースとヴォーカルの人は調べたが分からなかった。

この当時はペイジもマクラフリンもスタジオミュージシャンだ。

一応 Discogs にあった紹介記事を貼っておきます。



One of Bobby Graham's attempts to impress the French record buying public.
The four tracks "Gloria", "It's My Life", "Get Off My Cloud" and "Ring Dang Do" were played by a stellar line up:
Bobby Graham; Jimmy Page, lead guitar; John McLaughlin, rhythm guitar; Alan Weighel, bass; Kenny Salmon, organ.
The singer was Ray Merill from The Joe Loss Band.
He modified his BBC tones for rock 'n' roll - his absurd Eric Burdon impersonation on "It's my Life" has to be heard to be believed.



ではお聴きください。

ゼムの「グロリア」です。



















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