上杉謙信は百戦して負けたことがないと言われる。
軍神と言われるゆえんだ。
将卒たちは、謙信を毘沙門天の化身だと本気で信じていた。
だから謙信の軍は強い。
謙信は部下思いでもあったので、普段の彼は1汁1菜の質素な食生活だったが、合戦ともなれば、兵たちに海の幸山の幸をふんだんにふるまったと言う。
北国は寒い。
温かい料理は体を暖め、戦意高揚をもたらす。
初めは勝どき飯と言っていたそうだが、そのうち「謙信汁」と言うようになった。
「謙信」と「謙信を信じる」の2つの意味が込められたのだ。
謙信汁は、江戸時代になると、庶民の間にもひろまった。
ところで、謙信女人説というのがある。
昭和40年代に矢切止夫が言い出したことになっているが、ボクが調べたところによると違う。
歴史資料としてボクが全幅の信頼を置いている Usokipedia によれば、江戸時代から現れたそうだ。
庶民の間に、そんな噂が広まって一番困ったのが上杉家だ。
藩祖であり神としても敬われている謙信が女性とあっては、他藩の侮りを受けるからだ。
宿老(おとな)たちが集まって鳩首協議した。
最善の策として白羽の矢がたったのが誰もが知っている「謙信汁」だ。
ちと下品ではないか? という遠慮がちな意見もあったが、上杉謙信がまぎれもなく男であったのを知らしめるにはこれしかない、と言うことになりお触れが出た。
今日以後は「謙信汁」を「謙チン汁」と改名いたす。
なお「謙チン汁」に海の幸を入れることもまかりならん。
海の幸を産みの幸と間違えて、不妊治療に使う不逞の輩がいるからこんなとんでも説が流布する。
謙信公は間違いなく男であるぞ~
しかと証拠を噛みしめて証人になれ~
けんちん汁が精進料理になったのはこれ以後のことだ。
センセーショナルな歴史秘話を開陳したので Big Sensation を聴きましょう。
ドイツのガレージバンドです。
98年のCDコンピ、写真の Diggin' for gold vol.3 が手に入れやすいと教わったので貼っておきます。