カトリーヌ・ドヌーヴ・・・Diue Fumeur De Havanes | 洋楽と脳の不思議ワールド

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カトリーヌ・ドヌーヴを綺麗だと思ったことはなかったが、「哀しみのトリスターナ」の彼女は本当に綺麗だと感じた。
2番館で30年以上前に観たきりだが、2階のバルコニーに立つフェルナンド・レイに向かって、庭にいる、片足を失ったトリスターナが、ホックを一つ一つ外して生れたまんまの姿を見せつけるシーンは忘れ難い。
彼女の名前を聴くともう一つ思い出すことがあって、ある写真家が彼女を撮ろうとしたところ、スタジオに現れた彼女は、どこからみても平凡なただのおばさん。
本当にドヌーヴさんですか、と失礼なことを聞いたところ、カメラを覗いて御覧なさいといわれ、ファインダーを覗くと、大女優のオーラをまとった彼女が嫣然と微笑んでいたというのだ。
スクリーン越しに他人に観られる女優さんて、カメラを通すと大変身するものなんだ、と強烈な印象を受けた記事だった。
ボクも誰かに観られて変身したい、と思ったのだけど、コートを羽織って満員電車に乗り・・・・
ぐらいしか思いつかず、アブナ~イのでやめた。

そんな彼女が歌を歌っていたとは知らなかった。
「ロシュフォールの恋人たち」というミュージカル映画で歌っているが、あれは吹き替えのはず。
こちらは正真証明、彼女の歌声。
Philips が81年にフランスで制作したCDで、12曲収められている。
本職ではないので、歌っているというより、呟いていると言った方がいいのかな。
ジェーン・バーキンのスタイルを思い起こせば近い。
セルジュ・ゲンスブールの声が4曲で聞こえてくるので、彼が主導した作品なんだろうと思う。
バックの演奏からすると、シングルの寄せ集めではなく、どうもアルバムとして作られたようだ。
広告に依れば、BB(ブリジット・バルドーのことです。CCはクラウディア・カルディナーレ、SSはナチ親衛隊、ZZは寝息)やミレーユ・ダルク、イザベル・アジャーニも発売されている。
今でも売られているのかどうか知らないが、なかなかいいもんです。

ゲンズブールとのデュエットで、このCDに収められている Ces petits riens を下記よりどうぞ。