The Zombies・・・珠玉のビート・ポップ・バンド | 洋楽と脳の不思議ワールド

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マイナーな60年代ビートミュージック。駄洒落小話。写真と読書感想がメインのブログです。

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何時の間にか来場者が4ケタを超えていた。
マイナーな洋楽だけを取り上げている偏ったブログなので、とても有り難いことだ。
予想以上に同好の士が大勢いるということで、心強い限り、御礼を申し上げます。
記念に何がいいかなと考えたんだけど、大好きなゾンビーズにする。
60年代のベスト3曲中の1と思っている Tell Her No の映像があったのでどうぞ。


ゾンビーズを初めて知った曲で、名曲揃いの彼らの作品中でも1番好きな曲です。
ただこの曲が発表された65年当時、ラジオから2~3回しか流れてこなかったような気がするので、日本ではスマッシュヒットに終ったはずだ。
もっとも英国でもヒットしなかったようだが・・・
よく知られているように、このバンドは64年のデヴュー曲 She's Not There が全英12位に記録された以外、英国ではことごとくコケている。
ただ米国では異常な人気を博し、3年間の活動期間中3度の米国ツアーを行っている。
今日名盤の名が高い Odessay & Oracle にしたって、当初英国での発売は見送られ、米国のみの発売だったのだ。
67年末にこのアルバムがリリースされた時点でバンドは解散状態だったのだ。
にもかかわらず、翌68年にアルバムの最後に収められた Time Of The Season がシングカットされ、大ヒットしたのだから皮肉なものだ。
彼らはデッカと契約していたんだけど、あんまり売れないので67年にCBSに移籍し、CBSで作ったのがこのアルバム。当時CBSのプロデューサーをしていたアル・クーパーがシングル・カットに尽力したという逸話が残っている。
才能ある者は才能を知るってことなんだろうか。
「2人のシーズン」と訳されたこの曲は日本でも大ヒット。
数年前、自動車会社(日産だったかな?)のコマーシャルに使われていたので、ゾンビーズという名を知らなくともこの曲を知っている人は多いはずだ。
実はボクは、このアルバムをみんなが褒め称えるようには好きではない。
ビートバンド時代の彼らが好きだったので、時代の要請でビートバンドからの脱皮を図ったこのアルバムに違和感があるのだ。( Time Of The Season だけは好きだけど)。
先日、このバンドの中心人物 Rod Argent がバンド解散後に作った Argent をジャケ買いしたというとんでもなくハイセンスな女性のブログの印象記事を読んでいたら、あれっ、これって「オデッセイ・アンド・オラクル」の印象に似ているぞと感じ、はたと気づいた。
ゾンビーズとして聴くから不満が募るので、アージェントの前身バンドとして聴く限り、完璧なのだ。
新しい聴き方を提示してくれた彼女に感謝。
ところでちょっと述べたように、90年代にブレイクするまで全く忘れられた存在だったので「ゾンビの復活」と驚いたオールドファンも多いと思うんだけど、個人的には81年にデッカがリリースした写真1のベストアルバムが再評価の端緒を開いたのだと思っている。
ロックレヴォリューション(ニューロック)が始まってから、ビートサウンドは前時代の遺物と蔑まれるようになり、70年代を通じて完全に無視されていたのだけれど、80年代に入ると先鋭的なロックファンの間で60年代の音が見なおされるようになってきた。
そんな流れを先取りして81年にデッカが編んだのがこのベスト盤。コンパクトにゾンビーズの魅力を伝えていて、スグレモノだと思っている。
ジャケの5人もはじめて見る写真だった。
向かって左から2人目がヴォーカルの Colin Blunstone、右から2人目がキーボードの Rod Argent です。
写真2は70年発売のベスト盤(デッカ)だが(多分解散後最初の)、こちらは懐かしのビートサウンド的コンセプトで、彼等の魅力を十分に伝えているとは言い難い。
こちらのジャケ写真は Begin Here と同じ。
ベスト盤というとつい「あんなの素人がきくものと」バカにしがちなんだけど(70年代まではボクがそうでした)、ベスト盤でさえ手に入れづらい貴重なレコードという不幸な時代を過ごしてきたせいか、ベスト盤に昔のような違和感はなくなってしまった。
聞ける物ならなんでも有り難い、というのが正直なところ。
写真3は英国のリイシュ―レーベル Rock Machine から86年に発売された Odessay & Oracle。
オリジナルジャケの使用はCBSが許可しなかったんでしょう。ごらんのような珍しいジャケで発売されている。
今日では原盤所有のレーベルがCD復刻に精を出しているので、リイシューレーベルの役割は終ったが、彼らの活躍ナシには現在の隆盛はなかったわけで、いくら感謝してもし足りない。
ゾンビーズは上記アルバム以外にはデッカからリリースされた64年の Begin Here の2枚しかなく、他はすべてシングル発売だ。
CDでシングルズ・コレクションも出ているようなのでファンには有り難いことだ。
最後に彼らにもBBCセッションがあるのをお伝えしておく。
中身の方は以前紹介したので興味のある方は下記にアクセスして欲しいのだが、その折、CD化されていない、と書いたのだけど、その後の調べでスイスの Bear Family という復刻レーベルから出ていることが判明したので訂正しておきます。


スグレモノのベスト盤 The Zombies~She's Not There の収録曲だけを記しておきます。

A面 1, She's Not There
2, How We Were Before
3, Indication
4, The Way I Feel Inside
5, Whenever You're Ready
6, Leave Me Be
7, Tell Her No
B面 1, Goin' Out My Head
2, You Make Me Feel Good
3, Woman
4, I Remember When I Loved Her
5, Gotta Get A Hold On Myself
6, Remember You
7, What More Can I Do