E-girlsの人気メンバーで構成されていたFlowerはバラードの楽曲を中心にリリースし、女性を中心に人気を集めていた。一時期はE-girlsを上回る勢いがあったが、E-girlsとFlowerの活動を並行に行なっていた影響もあり、9年間の活動で単独ライブツアーを行なったのは僅か2回だけだった。早い段階でE-girlsから離脱してFlowerとして活動していれば、グループとしても上を目指すこともできたと思う(事務所の活動展開が下手)。
2010年にEXPGに在籍していた水野絵梨奈・藤井萩花・重留真波・中島美央でダンスユニットとして結成され、その後はEXILEのMVやライブツアーにサポートダンサーとして参加していた。リーダーを務める水野絵梨奈はドラマ・映画・舞台と幅広いジャンルで活動していた。
2011年4月にE-Girls SHOWを全国各地で開催し、Dream・Happiness・Flowerを中心に構成されるプロジェクトとしてE-girlsの活動を開始した。その数ヶ月後にはオーディションに合格した鷲尾伶菜・武藤千春・市來杏香・坂東希・佐藤晴美が加入し、10月12日に「Still」でデビュー。オリコン最高5位と新人グループとしては好成績を収めたが、2ndシングル「SAKURAリグレット」は12位、3rdシングル「forget-me-not 〜ワスレナグサ〜」は13位、松任谷由実のヒットナンバーをカバーした4thシングル「恋人はサンタクロース」は10位と人気が伸び悩んだ。
(久しぶりに見たらFlowerの公式動画が伶名義になってるんだけど・・・)
2013年の夏に“Happiness VS Flower”と題したイベントの動員数やYouTubeの再生回数などを競う武者修行ツアーを開催し、全国キャンペーンやE-girlsの人気上昇に伴って認知度が向上した。その後はソロ活動に専念するためにリーダーの水野絵梨奈が脱退したが、武者修行の優勝特典としてE-girls「ごめんなさいのKissing You」のカップリングに収録されてた「初恋」はサマンサタバサのタイアップに起用され、ラゾーナ川崎で行われたクリスマス当日のリリースイベントでは6,000人を動員するなど着実に人気を伸ばしていった。
(今聴いても名曲・・・)
(キー下げたら三代目が歌ってそう)
2014年にアルバム「Flower」をリリースし、オリコン最高3位/約15万枚を超えるヒットを記録した。アルバムの発売を記念して行われたイベントには約5,000人を動員し、E-girlsの人気に迫る勢いとなった。秋には海外留学を理由に武藤千春が脱退した。
(筆者のfavorite song)
2015年はアニメ『金田一少年の事件簿R』や映画『ANNIE/アニー』、化粧品「KOSE」のタイアップに恵まれ、2ndアルバム「花時計」に収録された「Dreamin' Together」はイギリス出身のガールズグループのLittle Mixとのコラボレーションが実現した。
E-girlsとしても多忙を迎える中、結成5年目にして初の単独ツアーを5都市で開催した。秋には市來杏香が卒業し、Flowerのボーカルは鷲尾伶菜のみとなった。
(爽やかな朝に聴きたくなる曲No.1)
相次ぐボーカルの脱退・卒業で一部からは事務所サイドへの非難の声もあったらしい。以前からボーカルのパートに偏りがあったのはライトファンである筆者にもわかっていたし、E-girlsでも明らかに待遇の差が見受けられて可哀想だった。
2016年にリリースされた12thシングル「やさしさで溢れるように」はJUJUの大ヒットナンバーのカバーや映画『植物図鑑 運命の恋、ひろいました』の主題歌として起用されたこともあって話題になり、ベストアルバム「THIS IS Flower THIS IS BEST」はグループ初の首位を獲得するなど人気はピークを迎えた(気がする)。アルバムを提げて行われた初の全国ツアーも大盛況で終えた。
(名曲すぎる!)
2017年の夏にリリースされた15thシングル「たいようの哀悼歌」はデビュー7年目にして初のシングル首位を獲得した。その後は人気メンバーの藤井萩花が頚椎椎間板ヘルニアのために休養した後に脱退&芸能界を引退してしまった。デビュー時には9人いたメンバーが気づけば5人になっていた。
2018年はE-girlsの活動を中心としていたためグループとしての活動が休止状態に。2019年に入ると、配信限定シングルや3rdアルバムのリリース、E-girlsやDream Amiらとの合同ツアーを展開したが、明らかに人気は低迷しているようにも思えた。そんな中、9月にプロサッカー選手の富樫敬馬と結婚・第一子妊娠に伴って中島美央が芸能界から引退することになり、グループの今後について協議を重ねた結果、9月いっぱいで解散することも合わせて発表された。本家のE-girlsを凌ぐ勢いがあったFlowerは解散ライブ等を行うことなく9年の活動に終止符を打った。
(まさかラストシングルになるとは思わなかった・・・)
2019年9月にFlowerが解散し、2020年12月に本家であるE-girlsも解散した。現在はそれぞれが歌手・女優・モデルと活動しているが、執筆するにあたってメンバーの現在の動向を調べてみたところ、今のところ目立った活躍を見せているメンバーはいない(Wikipediaの情報が古すぎて調べるのに一苦労だった)。彼女達が所属しているLDHはオリジナル番組などが配信されるCL(旧・LDH TV)や事務所との関係性が深いサイバーエージェントのAbemaTVなど“事務所案件”がやたら多いように思った。
2代目リーダーを務めていた重留真波は女優として活動しているが、このコロナ禍の影響もあるのかまだ数える程しか出演していない。SNSを確認しても告知の投稿が少なく、目立った活動が見られない。
2019年に芸能界を引退した中島美央はベビーヨガ・ベビーマッサージの資格を取得し、オンラインを通じてレッスン講師として活動。2022年に第二子を妊娠したことを発表した。
“伶”として歌手活動している鷲尾伶菜はTHE FIRST TAKEに出演したり、YOASOBIのボーカルとコラボ曲を発表したりと世間に存在感をアピールしているが、未だ大きなヒット曲は残せていない。2022年にリリースされたアルバムはオリコン最高8位と好成績を収めていることから今後の期待は大だと思う。
(歌は相変わらず上手い)
坂東希はドラマ『プロミス・シンデレラ』(岩田剛典のバーター)、『テッパチ!』(町田啓太のバーター)、映画『DANCING MARY ダンシング・マリー』(EXILE NAOTOのバーター)と事務所案件はありつつも女優・モデルとして活動している。
佐藤晴美はファッション誌「BAILA」の2022年5月号/10月号で単独表紙を飾るなどモデルとして活動している。女優としても2022年に公開された映画『ウェディング・ハイ』(岩田剛典のバーター)に出演した。
脱退・卒業組だと、水野絵梨奈はLDHに所属しながらダンサー・コレオグラファー・女優とマルチに活動。藤井萩花は歌手の今村怜央と結婚し、現在は双子のママ。武藤千春はフリーランスで歌手・アパレルブランドのプロデューサー・ラジオDJとマルチに活動。市來杏香は配信限定シングルを2019年・2020年に発表し、現在はライブ配信を行うライバーとして活動。
1st「Still」(5位)
2nd「SAKURAリグレット」(12位)
3rd「forget-me-not 〜ワスレナグサ〜」(13位)
4th「恋人はサンタクロース」(10位)
5th「太陽と向日葵」(5位)
6th「白雪姫」(3位)