今回は対談形式で赤文字系女性ファッション誌「CanCam」について語ってみました。

 

筆者 「CanCam」は1982年の創刊以来、数々の女優・タレントを輩出してきました。創刊号は読者モデルの方が表紙を飾ったようです。

 

友人 80年代はアイドル歌手や女優の表紙起用が目立ったけど、90年代に入ると専属モデルとして米倉涼子や藤原紀香、長谷川理恵などが加わって、現在のCanCamブランドが少しずつ定着していったんだよ。

 

筆者 1997年1月号では現在でも活躍している米倉涼子、藤原紀香、長谷川理恵、梨花など豪華な面々が合同表紙を飾っていますよね。今、この4人が共演したら凄いことになりそうです……。

 

友人 1999年に米倉涼子が女優宣言したことでCanCamを卒業して、2000年12月号からは後のエースとなる山田優が加わったけど、当時はまだアイドルのイメージが強かったよね。

 

筆者 安室奈美恵やSPEEDを輩出した沖縄アクターズスクールのメンバーで結成されたy'z factoryとして活動していましたよね。結成前は研修生ユニットの中心メンバーとして活躍していたようですが、デビュー後はなかなかヒット作に恵まれませんでした。

 

友人 アイドルとして伸び悩んでいた山田の高身長を武器にしてモデルデビューさせた事務所は正解だったと思うよ。女優としてもそれなりに活躍していたし。

 

筆者 その後は森泉と蛯原友里が加わり、2003年12月号でエビちゃんが初の単独表紙を飾りますが、ここから凄まじい社会現象を起こしましたよね。

 

友人 エビちゃんが着た洋服がバカ売れすることから「エビ売れ」なんてワードが出てきたくらいだからね。押切もえと共に一時代を築いたと思う。

 

筆者 当時は「CanCam」のCMがよく流れていましたが、我々世代からすると山田優・蛯原友里・押切もえは別格でしたよね。この3人を超えられる人は出てこないと思います。

 

友人 後にタレントとしても活躍する西山茉希も単独表紙を飾ったり、いいところまで来ていたけど、エビちゃん達があまりにも強すぎたよね。同時期に在籍していた高橋メアリージュンなんて単独表紙すら飾っていないし。女優として成功したからいいけどさ。

 

筆者 2008年12月号でエビちゃん、2009年4月号で山田優と二大エースが相次いで卒業。12月号は西山茉希、徳澤直子、安座間美優、舞川あいく、山本美月の5人による合同表紙でした。

 

友人 この短期間で一気に世代交代が進んでる!デビュー直後の山本美月はプッシュ要員というわけでもなく、時間をかけて育成していくって感じだったよね。後輩の土屋巴瑞季が先に単独表紙を飾っているくらいだし。ここから大エースにまで上り詰めるのは凄いよ。

 

筆者 一時期、山本を凌ぐ勢いがあったのは異例の速さで単独表紙を飾った元モーニング娘。の久住小春だと思います。アイドルグループ出身のメンバーが専属モデルに起用されたのは当時大きな話題を呼びました。

 

友人 当時のCMも安座間・舞川・土屋・久住だったし、サマンサのCMも山本・土屋よりもフューチャーされていたから次世代エース候補だったのは間違いないと思う。

 

筆者 山本美月の人気に火がついたのは2013年7月期ドラマ『SUMMER NUDE』あたりではないでしょうか。あの辺りから単独表紙の起用が一気に増えた気がします。

 

友人 その後は合同表紙を含めて2014年は7回、2015年は8回も起用されているし、いかに山本頼みだったことがわかるよね。

 

筆者 2014年は安座間美優・舞川あいく、2015年は久住小春が卒業して、現在でも専属モデルを務めてる面々が加わりました。特に乃木坂46の橋本奈々未・松村沙友理が加わったのは大きかったと思います。

 

友人 「CanCam」に限らずだけど、乃木坂のメンバーが他のファッション誌に専属モデルとして起用されたのが2015年辺りだったよね。まだこの頃は「Ray」の白石麻衣を除いたら認知度が低かったイメージがあるけど。

 

筆者 2016年になると、山本美月を中心に池田エライザ・楓・堀田茜・まい辺りが目立つようになります。楓は当時E-girls、まいはchayとしてアーティスト活動を行なっていました。

 

友人 E-girlsの勢いが重なるように2017年は楓が表紙を3回飾っていて世代交代するように山本美月が9月号で卒業。そしたらいきなり中条あやみが2ヶ月連続で単独表紙になるんだから驚いたよ。

 

筆者 元々いた「Seventeen」を卒業して「CanCam」の専属モデルになったと思ったら即単独表紙ですからね。現在はエースとして表紙に起用されることが多いです。近年は印刷部数が減少傾向にあり、2021年2月号をもってライバル誌の「JJ」が月刊発行を終了したりと厳しい状況になっています。

 

友人 確かに。特別版でジャニーズや韓国の人気アイドルを起用したり、付録でなんとか保っている感じだよね。女性アイドル界で人気の坂道グループを専属モデルに迎えたりしているけど、群を抜いて表紙になっている感じでもないし、こればかりは難しいね。

 

筆者 今後は2021年5月号から専属モデルになった“めるる”こと生見愛瑠が引っ張っていくんですかね……?ハロプロでアンジュルムの佐々木莉佳子も女性ファンが多いので、新しいファンを呼び込めるといいですが……。

 

友人 「JJ」みたいに月刊発行終了みたいにならないといいね(笑)