自衛隊車両の2色迷彩は色の境がはっきりとしてるのもあればボケてるのもあります。

それに迷彩パターンの位置や形も厳密には決められてないようで、同じ74式戦車でも2色の配置は各車ごとにバラバラです。おそらく決まっているのは色と迷彩2色のおおよその面積比くらいで、あとは雲形(曲線波形帯状模様)であれば配置は自由だったのではないでしょうか。

 

これも推測ですが、迷彩2色の境がボケてるのは出荷前に工場でスプレー塗装された新車で、オリーブドラブ1色で全塗装時代の車両を1986年の通達により2色迷彩に塗り直された車両は、部隊によって刷毛(境界はっきり)で塗られたり、スプレー(境界ボケ)で塗られたりとバラバラであった。

全て工場でスプレー迷彩された新車でも、塗装の補修や塗り替えは自衛官が行うので、部分的な補修が刷毛で行われ、1台の中で迷彩がボケてる箇所とはっきりしてる箇所が混在する車両もある……

てな感じなのかな? これは珍しいことではなく、実際に74式戦車でもよく見られる。

 

迷彩の境界はボケていてもボケ幅は大体が狭く、少し離れて見るとクッキリ境界のように見える。

近付いて見て「ああ、迷彩の境界はボケてたんだ」とやっと分かる感じ。

(だから刷毛塗り車両とスプレー塗り車両が並んでいてもほとんど迷彩に違和感がない)

このように、スプレー塗りだけどボケ幅の狭い迷彩を「ソフトエッジ迷彩」と言う……のかな?

外人モデラーがそんな迷彩を「ソフトエッジ」って言ってたように聞こえたので(笑)

 

ここからが本題

今回は特に必要性を感じなかったので下地にグレーや錆止め色などの全塗装はせず、金属部分にプライマーを塗っただけで基本色塗装をします。

 

車体と砲塔をMr.カラー陸上自衛隊戦車色の516番「濃緑色3414」で全塗装(←写真撮り忘れ)

乾燥後に、同517番「茶色3606」で2色目の塗装のためにマスキングしました。

マスキングの方法は、まず迷彩の形を車体に水彩色鉛筆で描く。

形は自分オリジナルでもいいし、説明書の塗装例を1/35サイズに拡大してそのまま写す手もある。

色の境界は上記の「ソフトエッジ迷彩」にしたいので「練り消し」とか「練りゴム」とか言うデッサン用の消しゴムを使いました。水彩色鉛筆で描いた迷彩パターンに沿って、細く伸ばした練りゴムを付けていきます。練りゴムを使うのは境界だけで中は(剥がすのが簡単になるので)紙とマスキングテープにした。形状によっては紙の代わりに包んだりの自由度が高い食品ラップやビニール袋を使います。

下写真は砲塔ですが、同じようにマスキングして「茶色3606」を塗装した状態。

マスキングを剥がすと、下写真のように綺麗なソフトエッジ迷彩になりました。

部分的にはっきり境界になってたり、ボケ幅も多少まちまちで自衛隊の迷彩らしくできたと思う。

車体の迷彩もこんな感じ。

 

苦労したエンジン放熱グリルの鎧戸と金網 ↑↓

でも、砲塔を乗せると半分くらい隠れちゃう……残念。

迷彩塗装は手間が掛かりましたが、やっぱりカッコいいです。

チハの3色+黄色帯の4色迷彩に比べたら、2色迷彩ごときで手間が掛かるとか言ってはいかんね。

砲塔と車体は別々に塗装しましたが、迷彩のつながりは大丈夫です。

(陸上自衛隊 74式戦車 タミヤ 1/35 TAMIYA)

……つづく