この狂いきった世界の中を
どう生き抜くのか

闇に気付かない限り人々は打ち続ける

死ぬまで打ち続ける

その信仰は非常に堅固で
苦しみは他人事と捉える

それは他人にのみ起こることで
自分は護られるのだと

死者が1万人を超えても気付かないのは
盲信している証拠でしかない

そしてどこまでも
自分の選択は正しいと信じている

そう断言できるのは
かつての私がそうだったからだ



ここから先の世界は
自分を守るだけで限界の世の中になる

それは黙示録と重なる

賢い花嫁と愚かな花嫁

花婿の到着が遅れて
愚かな花嫁たちは油が足りなくなった

賢い花嫁たちは遅れることも見越して
余分に油を用意していたが
愚かな花嫁たちを助けるほどの油は
持ち合わせていなかった

自身のための危機管理は可能だが
他人を助けるだけの備蓄は不可能なのだ

それぞれが危機に備えて
自分を助けるしかない

私の娘の被害を良く知る両親ですら
目覚めることを拒み
その腕を安全を命を差し出した

これが現実なのだ

これが現実なのだ

信仰には勝てないのだ

彼らは信仰によって生き
信仰によって死ぬ

彼らの幸福はその信仰の中でしか
存在し得ないのだから
彼らは喜びのうちに死んでいく

彼らにとってはそれが幸せなのだ