明日の朝日新聞朝刊に掲載されるようです。


朝日新聞デジタル

嵐・大野さん「計り知れない迫力」 草間彌生さんと対談

旺盛な制作を続ける前衛芸術家・草間彌生さん(87)の最大級の個展「草間彌生 わが永遠の魂」が22日、東京・六本木の国立新美術館で始まる。草間さんは開幕を前に、アイドルグループ「嵐」のリーダー大野智(さとし)さん(36)と作品や個展について語り合った。大野さんは絵画や立体の制作も手がけ、数年前から草間さんとも親交がある。

 草間 お元気そうね。

 大野 お会いするのは1年ぶり以上かなあ。

 草間 うんと活躍して、あなた忙しいでしょ。

 大野 昨年はいろいろと仕事があって、本当に絵が描けませんでした。

 草間 私みたいね。私も毎日毎日、お客さんが来るから。外国からの取材も多いのね。だからご飯を抜いて描いてることもある。

 大野 食べないと。

 草間 絵を描く方が大事なの。どんどん手が先に動くでしょ。チョコレートとか、おせんべいとかをご飯の代わりにして。

 大野 だいたい何時ぐらいに起きているんですか。

 草間 6時ぐらいに起きて、夜中まで描くことがある。眠れないと、3時半ごろまで絵を描いているの。

 大野 じゃあ、寝てないんですね。描いていた方がいいってこと?

 草間 そう、うんと幸福。無心で描いている。

 大野 1枚仕上げるのにかかる時間は?

 草間 小さければ1日のときもあるし、2日半ぐらいのときも。ものすごい速度よ。

 大野 色なんかは迷わないんですか。

 草間 迷わない。みんな頭の中ででき上がっていて、どんどん出てくる。

 大野 ドット(水玉模様)の場合は?

 草間 出発は子供の時からの幻視。以来、網目のああいうのがいっぱい出てくる。

 大野 アイデアがつきることはないんですね。

 草間 全くない。いくらでも出てくるの。あなたの作品もステキよ。素晴らしいと思う。歌もダンスもできて、そんなに色々できる人って珍しいと思う。

 大野 いやいや、そんなことは。先生はこれからのビジョンはありますか。

 草間 私が死んだ後も、若い人たちにも感動してもらえるような絵を一生懸命作ってゆきたい。

 大野 今までの作品って全部で何点ぐらいですか。

 草間 何万とあると思う。子供の時から描いているから。今度の展覧会には子供の時の絵も出ます。

 大野 そういうのも残してあるんですね。何度も先生の作品を見てきたけど、今度はまた違う感じ方をするのかなあ。楽しみです。

 草間 今日は会えてよかったね。人生の素晴らしさっていうのは、人にまた会えるっていうことね。

    
対談を終え、大野さんは「草間さんはずっと描き続けている。その計り知れない迫力を作品から感じますね。これは中途半端では描けないな、と。お話を聞けば聞くほど、深いですね」と話していた。
     

 2月19日(日)の朝日新聞朝刊には、草間さんと大野さんが笑顔で対談する写真も掲載しています。ぜひ紙面もご覧下さい。