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プラスアクト ミニ
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ドラマや舞台、映画で様々な役柄を演じ、ギャラクシー賞、ドラマアカデミー賞、東京ドラマアウォード2011など数々の賞を受賞してきた嵐の二宮和也さん。俳優として着実に成長を続ける彼だが、演じる上で大事にしていることは、他の多くの役者とは異なっているようだ。
「仮に、クライマックスに怒鳴るシーンがあったら、大切にするのは、怒鳴ることよりも、その間合い。相手役や観客をどれだけ黙らせられるかは、間合いにかかっているのかな、と。たとえば『ワンシーンごと100%の力でやります』っていう若い役者さんもいらっしゃるよね。まったく否定しないけど、オレは真逆。2%で演じるシーンもあれば20%の時もある。それは作品をトータルで観た時に100%であってほしいから」
とにかく「全力よりも構成力だと思う」と語る二宮さん。さらに彼は、役者にとって非常に重要かと思われ『役づくり』に関しても独自のポリシーを持っている。
「やせたり太ったり、見た目を少し変えるくらいはするし、役に必要な習いごともするけど……。いわゆる内面的な役づくりはしない。この人物ならこういう考え方かもと分析するとか、台本にない役の人生まで想像して履歴書を書いてみるとか、そういうことは一切しない。だって、それは観客が求めてることじゃないもん」
そう素直に語る二宮さん。彼は、大先輩の役者に憧れを抱くことについても「意味はない気がする」と否定的であり、その理由として「その方たちがどんなに素晴らしくても、完全にその人にはなれないし、『誰か』になりたいとおもった瞬間に『自分』は残せなくなるんだよ」と述べている。