肥後の石橋探訪のメインは美里町の霊台橋。

地元の人は船津橋とも呼ぶ。

架設工事は1846(弘化三)年で竣工は翌年。1967(昭和四十二)年に国指定重要文化財。

 

 

国道218号を車で走るときに霊台橋を何度見たことか、何度歩いたことか。外観だけは知っている。

霊台橋を見上げるようにして河原にあるレストランで食事をしたこともある。

だけど詳しいことは何も知らない。

 

 

今回の案内役である石匠館長上塚尚孝さんは、20歳のとき、教員になって初めての出勤のときに渡ったのが霊台橋。その古さと大きさに圧倒されたのが、60年にわたる肥後のめがね橋研究を続けたきっかけだったと記している。

 

 

さてどうでもいいようなことばかり書いてきた肥後の石橋探訪であるが、この霊台橋をもってオシマイである。なにか特別なことでも書こうと思うが、何も思いつかない。これが凡庸な者の常である。

 

 

塚尚孝さんの「なぜ、みんな、感動しないのだろう」つぶやきが聞こえた。江戸末期から造られためがね橋を見れば、先人の強い意思、高い技術、そして苦労がしのばれるが、現代の橋造りもまた負けず劣らずというか、かつて想像もつかなかったような高度な技術を駆使しているとも思う。過去を顧みることが、現在を見据え将来を見通すことにつながる。人の営みというのは力強くて逞しい。(オシマイ)

 
 

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