道の駅田浦(たのうら)に着いたのが正午前。

ここで食べるか、御立岬の店で食べるか、それとも赤松館のカレーを食べるか。

 

赤松館のカレーというのは料理研究家の江上トミさんのレシピを忠実に再現したものである。数年前、雨読さんが初めて食べたとき、よほどうまかったのだろう、お代わりをして2杯食べたといういわくつきのカレーライス。

 

「ここで食べよう」

それが面倒くさくない。気楽でもある。

食堂は満員だった。春の陽気に誘われて多くの人が集まっていた。2人ともえび玉丼にして、食べ終えると御立岬に行ってみることにした。

 

 

グループ縷々公演は午後2時開始で、1時間ほど時間があった。すると雨読さんが

「野坂の浦というのがある。

葦北の野坂の浦ゆ船出して水嶋に行かむ波立つなゆめ 

長田王」

万葉の歌である。

「はっ、なんですか?」

と、がね。

こういうのがすらりと雨読さんの口から漏れ出るのである。

 

それなら行ってみよう。ということで歌碑のある場所に行ってみた。

車を停めて「ああ、なるほどね」のどかな春の日だ。

 

 

それから御立岬に向けて車を走らせると、さくらが8分咲きか。多くの人々が花見に来ている。八代海の青い海と空を背景にしたさくらである。快晴。気温が18℃まで上昇したか。さぞや気持ちよかろう。八代海の写真を2枚ほど撮って、赤松館に向かった。(続く)

 
 

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