フランスで人肉を食べたという、カニバリズムだとかいうサガワくんを連想させる気色悪いタイトルなので完全にひいたのだけど、本屋大賞の2位だと知って、ならばあの感動ものの三浦しをん『舟を編む』のような小説かも知れないと思い直した。
高校生が主人公の住野よるの青春小説である。いい年をしたおっさんが読むにはいささか面映ゆいというか引け目を感じるというか、こっそりと人に知られないように密かに読み始めてしまった。
すると一気読み。
エキサイティング。
オシマイのところで不覚にも泣いた。
ファンタジーなんだけど、日本の女子の明るさと力強さと健全さに圧倒される。
素晴らしい。
かつては根暗で一人が好きな男子の端くれであった者にとっては夢の世界。
小説でしか味わうことができない夢の世界。
夢だけど、夢じゃないよね。