喫茶ココペリの庭に出た。


table
ash


無造作に置いてある木のテーブルに灰皿があった。逆さになった灰皿をひっくり返すと湛えていた雨水が零れ落ちた。灰皿の水をすっかり空にしてテーブルに戻し、煙草に火をつけた。


雨が上がって陽が差すのかと思いきや、やっぱり黒雲が流れてきて上空を覆い、今にも雨が降り出しそうだ。見下ろすように里山に向きを変えると、段々畑がゆるやかに海の方へと続いている。


しろ
もも
あか


誘われるように歩き出すと、道端に白梅、紅梅、その真ん中に桃色の梅が花を咲かせているのが目についた。色のグラデーションを楽しめるとは植えた人の趣味が高じてのものだろうと感心させられる。


梅の木の隣にはアヒルの小屋があり、眺めてみるとあまりの寒さに耐えかねたのか、風を避けて腹ばいに寝転んでいた。人間ほど寒さに弱いわけではないだろうが、アヒルとていい加減に暖かくならないものかと思っているに違いない。


周辺のウォーキングコースをさりげなく確かめてみると、道が狭くて車が通るのは稀で安全ではあるが、舗装されているのが難点。土の上を歩くときと比べれば膝や腰へ負担がかかる。調査の結果、喫茶ココペリ周辺ウォーキングは没にして、二の岳、三の岳登山を目指すことにした。