それでは続きをどうぞ~
(ふ)○「技法という意味では、このタイトルも凄いいいよね。
ぐるんぱが書いた文字に見えるもんね」
(し)○「うん。それ、凄い良い。話の内容に関係ないのに(苦笑)」
ー「ぐるんぱのようちえん」のタイトル文字は手書きで幼稚園児が書いたようなデザインになっています。
小さい注釈で「この文字はぐるんぱの書いたものです」と書かれていて、物語がココからもう始まっていくようです。
(ふ)○「うまいよね。
グルグルしたところを沢山作って、
象の鼻のイメージをちゃんとここに入れながら、小さい子が書いたみたいにも感じて。
それで、作者とかの名前はないのねここに。
それがあったら(折角作った世界観が)台無しになるから」
ーぐるんぱが仕事をするシーン4枚を指して
(し)○「ここで4回繰り返してるのが凄いなあと思って…、
私が描いたら多分2ページに分けたくなる。
仕事しました→失敗しました。仕事しました→失敗しました。って、それが無いのが(何気に)凄い」
(ふ)○「この前半部分とか話の筋にそんなに関係ないかもしれへんもんねえ」
ーぐるんぱが子供たちに出会うシーンを指して
(し)○「ここで話が切り替わるところがまた凄い。
ずっと読んできて仕事の話かなあ?って思ってて、どうするんやろう?って思ってたら、最後ここ(幼稚園を作る)で終わって、タイトル(ぐるんぱのようちえん)に戻ってくるっていう、流れができてて」
(セ)○「うーん。確かにこの人ら(仕事人や森の象たち)はもう出てこーへんもんねえ」
(し)○「仕事行ってこい~…(ってなって)…自立したんかな?(笑)」
(ふ)○「この人ら(森の象たち)の思惑通りに行ったんやけど…でも、この人らはずっと森におるのにねえ(笑)
この子だけ、町中に行ってるんやあ」
(皆)○「(苦笑)」
(セ)○「まあ、行ってこいって言ってるから、帰る前提ではないのかな」
このように何を描きたいのかによって、残すシーンは変わってきます。
この絵本は「ぐるんぱの仕事を描きたい」のでしょうか?=だったら仕事場メインで良さそうですね。
「ぐるんぱの成長と自立を描きたい」のでしょうか?=そのわりに失敗ばかりしてますよ?
「メソメソ泣いているぐるんぱの居場所を描きたかった」のでしょうか?=それが「ぐるんぱのようちえん」だったのかな?
その後、ふじもとさんが持ってきてくれたダミーを軽く検討したりもしました。
これにて「ぐるんぱのようちえん」リポート終了です。
今回掲載したものは、これで25分間皆で喋っています。
途中で絵本セラピストさんのお話も出ましたが、長くなるのでここでは割愛させて頂きました。
5人いれば計5回この繰り返し。
勉強会は、だいたいこのように進めております。
皆様の参考になれば幸いです。
<まとめ>
まだ経験の少ない子供たちは自分たちの知っている世界にまず目がいきます。
「あ、これ知ってる!」という喜びと出会うために、絵本を何度もめくります。
はじめは自分の楽しさを追い、その後その楽しさを親とも共感したがるようになります。
大人になると、知らない世界に目を輝かせはじめます。
「わあ、知らなかった!」という新鮮な発見をするために、次々に目移りしていきます。
やがて自分の世界を追求し、それを誰かと分かち合い役立てるようになります。
皆さんが描きたい絵本、読みたい絵本、描いてあげたい絵本、読んであげたい絵本はどんなものでしょうか?
それによって題材なども変わってくるかもしれませんね。
以上長い連載にお付き合い、真にありがとうございました。
今後もよろしくお願い致します。

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