入院は手術の前日からでした。

麻酔科の先生の診察を受けて、主治医に手術の説明を母と聞きました。

手術の説明で衝撃だったのはセンチネルリンパ生検のことと乳頭を温存できないかもしれないということ。

癌を取るためには仕方ないと思いながらもできればリンパの郭清も乳頭の切除もしたくないショック!

ビビりまくりで主治医の手術前説明を受けました。

でも手術への不安が少し和らいで、主治医にまかせようと腹をくくりました。

その日の夜は下剤と眠剤を飲んでグッスリ眠りました。

でも次の日の朝の浣腸はきつかった。

手術は10時半からでした。

その前に、手術室の看護師さんが病室にやってきました。
手術室のことや麻酔の説明をしてくださいました。

手術室に行く前に血栓予防の靴下をはくように言われていたのに直前になってはかなくてもいいと麻酔の先生に言われました。

若いから大丈夫だろうって…。
若いのに癌になってるから困ってるんだけどね。

ちょっと不安になりながら手術室への長い廊下を看護師さんと歩きました。

なんか…違う世界に行ってしまうような不思議な感覚になりました。

ドアが開くと看護師さんが2人待っていました。

そして30メートル程先にいる両親と娘にむかって看護師さんが

「いってきま~~~す‼」

とさけび、手をふっているのを見て唖然としてしまいました。

私はいったいどこへ連れていかれるのか…天国か…地獄か…、帰って来れるかな。

その先に手術室が4つ並んでいました。本当は7つ手術室があるらしいです。

手術室は薄緑色で意外に物がたくさん置いてありました。

手術台にも自分で登ります。

仰向けになると…ライトがコワイ。

寒くて血管が縮こまっているのか、麻酔の針が入らない。

5回くらい失敗してました。
時間がなくて看護師さんの焦りが伝わってきます。

入ったと思ったらすぐに

「眠くなりま~す」

えー、もう?はやくない?

と思ってるうちに目の前が霞んで眠りました。
眠る前に見えたのはライトとごっつい酸素マスクみたいなやつ。

「これは酸素だよ~。」

と聞こえた気がします。

そして私はなぜか工事中の夢を見てました。

次に聞こえたのは、

「◯◯さ~ん、乳頭取らなかったからね~。」

でした。

取らなかったんだ、良かったとほっとしました。

ぼやけててよくわからなかったけど、手術室で手術台からベッドに移されるのはわかりました。

肝心の患部はあまり痛みは感じなくて重たい感じがしました。

ベッドに乗せられて病室に戻りましたが、すぐに母と会話ができました。

病室に戻ると、急に寒くなって震えがとまりませんでした。

そしてとてもお腹が空いてました。