いろんな検査をしたけれど、乳がんかどうかわからなかった私はついに針生検をすることになった。

待合室と壁一枚隔てられただけの場所に簡単なベッドとエコーの機械と太い針…。

太い針は見せてくれなくてもいいのに先生が見せてくれた。

四角い箱の付いた中が空洞になっている3ミリくらいの太さの針。何やら針にはメモリが付いている様に見える。

コワイ、怖すぎるガーン

さらに先生はガシャンと針が動くのを見せてくれた。そうやって高速で動かして細胞を針の中に入れて取り出すらしい。

それにしても大きな音。

この音に驚いて動く人がいるらしい…わかる気がする。

先生たちが局部麻酔の準備をしている。看護師さんが麻酔薬を持って、先生が大きい注射器に液を充填している…あんなにたくさん必要なのかな。

怖いのでもう先生たちの行動は見ないようにして、楽しいことを考えるようにした。

でも楽しいこと…何も浮かばない。

針が心臓や肺に刺さるとまずいということで背中にタオルを丸めて入れて斜めになった。

まずは局部麻酔…普通の注射と同じ、ちょっとチクっとするだけで他は何も感じない。本当に麻酔が効いているのか不安になる。

「これ痛い?」と先生が聞いてきた。

ペン先で左乳房の外側を1、2センチなぞられたような感覚、痛くはない。

今思うとこれはメスで切られていたのではないかなと思う。

そしていよいよ針が入るのだが、先生はエコーを当てながら慎重に位置を決めている。結構時間が掛かる。

たまに針で中をかき混ぜるようなこともしていた。

全く痛くないのでまだよかったが、されていることを想像すると息が詰まりそうになる。

2本目を取る時に先生が操作してもガシャンという音が鳴らない。

どうやら中の組織が硬くて針が動かないらしい…先生がおかしいなという感じで針を抜いて確認している。

やっぱり私は病気なのかなと思った。

結局3本取った。

終わると緊張と恐怖が少し和らいで右の脇汗が流れるのがわかる。12月なのに。

左は血が流れているのがわかった。
すぐに看護師さんが止血してくれた。

「痛かっただろ、よく頑張ったな。」

と先生は声を掛けてくれたが、麻酔おかげで本当に全く痛くなかった。

「これで白黒つきます!」
看護師さんの力強いお言葉。

結果は3日後に出るのでした。