妖精
鳥かご

飛翔。
天へ。

大気を揺るがし、響かせ、飛び立ちましょう。

鍵は外れ、枷は役立たないのに、留まるのは、何故でしょう?
今より、悪くなるのが怖いから?

籠が機能しないとわかったら、さらに頑丈な枷に入れ替えられてしまいますよ?

変化を怖れずに。
挑戦を楽しんで。

明日もよい一日を。

寝落ちしました。すみません。

19日公開の『天気の子』を見てきました。
雲や光、風がリアルなアニメーションでした。
そして、エンドロールで、頭、心が止まりました。

ああ、このスタッフクレジットの一部がごっそり、失われたようなものなんだ、と。

今回、被害に遭われた方々のご担当業務がどのパートにあたるのか、私にはまったくわかりませんが、三人横に並ぶスタッフクレジットの中から十何段か抜いたら、映画が生まれないことくらい、容易に想像がつきました。

同じ業界ならば、横のつながりもあったかもしれない。話題作は、自分が携わらなくても、チェックなさるでしょう。あの場面は、すごい。あの処理は、だれだれさんだろう、オレも、私も、負けないで頑張ろう〜

作品誕生の苦労と誉れをもっとも理解出来る方々でしょう。見たかっただろうな、予定に入れていただろう、あるいは、ご覧になっていたのかな?
私とは違う見方、画面処理とか描き方とか、プロ視点でわかることもあるだろうな〜。

そんなことをつらつら考えていたら、遅刻したし、遅刻しますと連絡を入れ、かなり急いでいたのに、なぜか降りるはずの駅を乗り越しました。心が止まってしまい、機能していません。体は動いているのですが、意識が深く沈んでいました。

話題作公開前日に起きた惨劇、話題作だから、私も事件前にチケットは押さえ、公開初日に映画館に駆けつけ……心が、止まりました。

痛み、嘆き、憤り、苦しさ、やるせなさ、もろもろは、やがて昇華され、次のうねりになっていくのでしょう。が、まだ、整理がつかない、何が起こったのか、わからない、信じられません。

でも、空を見上げて。

時代のヒットメーカー新海誠監督、さすがに持ってます。まさかの長雨、冷えこみの日本に、『天気の子』ですよ。
すごいな、と、見ながら舌を巻きました。

いまの時代、知りたいことはすぐにわかり、たくさんのものがシェアされていきます。その結果、自分の輪郭がどこなのか、曖昧になっていきますよね。

自分の意のままにならないなら、なくせばいい、壊せばいい。魔に取り憑かれ、魅入られ、脳内シミュレーションを繰り返し、やるか、やらなきゃ、やろう、やれるか、やらねば、やるか、やらなきゃ、ぐるぐる巡り、ある瞬間に現実となり、妄想が暴走し〜、やってしまった。

次元も視点も変わりますが、たとえば、解釈違いで、リアルなつながりが、大事だったものが、簡単に壊れ、あっけなく消え、捨てられ、離れていくこともあります。
違いに気づく前は、うまくやれていて。親しく、大事で仲良しで。だからこそ、違いに気づいてしまい、すると、お互いに譲れなくなってしまい、今まで通りにはいかなくなります。

妥協も、共存も出来ない、こじれて、こじれて、依怙地になり、頑なになり、許せなくなり、受け入れられなくなり〜、好きだから憎い、愛しているから許せない、受け入れられない、あってはならない、それ、戦争のロジックですよね。

背景にあるのは、今、この時代の危うさ、見えない渦、あるいは、ブラックホールみたいな、穴。

みんながこだわり、自分を貫き、正しさを正当化しだしたら、対立、離別しかなくなります。
そういう怖さ、一触即発の危うさ、今という時間の中に潜んでいますよね。
これは、どこから正せばいいのでしょうね。

私は『天気の子』の登場人物よりも、ずっと大人だから、彼らが持つ熱意や行動力は、もうないんですが。

作品のテーマの先を考えていました。
大人がね、もう少し頑張らないと、ね。
あまりにも今、手本がない、手がかりがない。

今、時代は、潔癖のターン。
正しく、間違いのなさをみんなが求めていて、完全主義になっています。

が、対話や検証がない。
妥協点を探る習慣がない。

調べれば、答えみたいなのが出てくるから、ググれカスになり、結果、聞けなくなっています。『天気の子』も、大人を頼らない、頼れない。

そりゃ、自己完結しますよね。
自分なりに理解し、結論出すしかない。

私はね、正しいお手本には、なれない。んな、キャラではない。だけど、若さがない分、ちょっと違う見方はできますよ。しなやかさがない分、しぶとさはあります。だから、一緒に考えましょう。知恵を出し合いましょう。で、明日をよりよくしましょう。

きょうより、マシ。いまより、ラク。
積み重ねたら、案外いいかもしれないじゃない?

ちゃんとした大人、一体、どこに消えたのかな?
困った時代、世界が迷子。

が、ここで生きるしかない。まずは、楽しい土曜日を。