こんにちは。

きょうは、雨降りの新月です。

 

うちにあるムーンカレンダーによると、きょうの新月は、4:44だったそうですよ。猫が起こしに来なかったので、寝てました。

 

昨日、アンナフォトさんで「荒木町に行って」という話をしたら、

メイクさんをのぞいて、みなさん、ほぼほぼ同世代なので、昔話スイッチが入りました。

 

そこでナゾだったのは、「なぜ、昔の大人たちは、マーキングのようにお店をハシゴしたのだろう」でした。実際、荒木町で隣り合った紳士も、「この店で3軒目。飲みに行くときは、5、6軒回る」とおっしゃっていました。

 

カメラマンさんは、「昔は、座るだけで何万円のお店にくっついていって、ドリンクに口をつけた途端、『さあ、次に行くぞ』と言われて、それを何回か繰り返して、夜が終わった」とおっしゃいます。
「そうそう、犬のおしっこみたいに、ちょこちょこ、顔出してすぐに次に行くんですよねえ」

 

……犬のおしっこって!!

 

でも、まあ、そういう感じかも。

 

「今はないですよね」

「荒木町の紳士はやっていましたけど、私たちがやらないんだから、若い世代はやらないでしょ?」

「だよねえ」

 

タニマチとか、ご贔屓とかが支えている国技や芸能の世界ならば、まだあるのかもしれませんね。ちょこっと顔を出して次へ行く文化。それは、顔をつなぐこと、お店をかわいがること、育てること、支えること。

 

古都や歴史ある街には、あるのかもしれませんね。

 

「昔は、ここまではいいけれど、ここから先は、大人の世界と言われて踏み込めない場所があって、そのひとつが荒木町だったかも」みたいな話も出て。

「そうなんですよ!!! 年は取ったのに、いつまでも大人の街で、自分は用事がないって思っちゃっているんですよねえ」

 

これも、大人が大人になりきれない今っぽい感じといえば、そうなのでしょうか? 景気とか、世の中の流れとか、いろいろ違いますから、もうなんとも言えないんですけれど。

 

私なんて、昭和の心得がありますから、一緒に行った若い女の子にアドバイスしちゃいましたよ。
「お礼状を出すなら、メールじゃなくて、手書きで投函。ハガキでもいいから」って。もちろん、自分も出しました。手書きの封書でしっかりと。

ごちそうさまでした。温かいおもてなしをありがとうございますと。

 

昔、三越劇場に新派を見に行ったときに、「帽子をお取りください」、「外套のお忘れ物にご注意ください」のようなアナウンスが入り、なるほど!と感心したものでした。

 

奥行きのある国なんですよ。日本って。
イージーで便利な世界だけど、義理とか人情とか粋とかね、いろいろあって、全部は無理でも、気づいたら合わせてみるみたいな、
そういう工夫は、結構面白いと思うのです。面倒が面白い、そういうの、若いころはわからなかったなあ。

今でも、処世術として身についている若者がいて、驚かされますが。私が「ココは大人の世界だから」と遠慮している場所にも、気楽に入っていきます。すごいなあ。ちゃんと縦のつながりが生きているわけ。そういう人って。

 

きょうは、双子座の新月。肌寒いので、暖かくお過ごしくださいね。