「レオ・レオニ 絵本のしごと」展の余韻が消えません。

世代的に、「スイミー」や「あおくんときいろちゃん」など、初期の作品が少しひっかかるくらい。ただ、絵のかわいさで話も知らないのに、ねずみのファイルは持っていたりしましたが。

今回、初めて「あのファイルは、『どうする? ティリー』と『マシューの夢』だったんだ!」と気づくレベルです。

『どうする? ティリー』は、ベルリンの壁の崩壊で、描かれた作品だったのですね。壁の向こう側を目指し、ぐいーんと地下に潜るねずみ・ティリーが、勇気をくれます。

こなごな島へ向かう『ペツェッティーノ』。
こなごなにならないと、自分を実感できないなんて。なんてすごい話なんでしょう。

「私は、あなたの一部?」
そんな風に問いかけていた時期、確かにありました。誰の一部にもなれない。誰の一部でもない、そう理解するまでに、バカみたいに時間がかかり、何回もこなごなになりました。
こなごな島、あちこちにあるのかもしれませんね。

『フレデリック』の力も、本当にその通りだと。ただ、現実には、そんなにうまくはいきません。まわりにわかってもらう前に、仲間から弾かれてしまうのではないかと。これは、「そうだといいね」で、読みました。

今回の展覧会で一番気に入ったのは、『じぶんだけのいろ』です。背景に染まってしまうカメレオンが、自分だけの色が欲しいと考えるのですが、優しい救いが用意されています。

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ファイルとカードを買いました。

会場には、絵本コーナーも設置してあり、巨大なスクリーンには、スイミーの絵が浮かびあがります。
小さなお子様たちが、「スイミー!」と駆け寄る姿が印象的でした。

切り絵で作られた絵本もありまして、原画と絵本を見比べられる贅沢も満喫しました。これから夏休みに向かい、混み合うかもしれませんが、非常に優しい気持ちになれます。

レオ・レオニという人がいた。
それだけで、元気がわいてくる気がします。