現代社会において電磁波の被害を受けていると訴える人がいます。彼らは電磁波過敏症であると考えられています。電磁波過敏症と言われる症状は倦怠感、体のビリビリ感、耳鳴り、超音波音、湿疹などに代表される前身に表れる症状です。体に刺激作用があることから、電磁波が原因の可能性があると言われています。電磁波過敏症は歯科医から説明されています。

 

1.アレルギー反応

 人には免疫があるんですが、体内に異物が侵入した時に抗体を使って排除しようとします。アレルギーは免疫がタンパク質に対して起こす反応です。抗体が過剰に反応してしまうタンパク質をアレル源、抗原性物質と言います。

 アレル源は杉花粉やブタクサなどが有名です。環境にある杉花粉を生体が吸収すると杉花粉に含まれるたんぱく質に対して抗体が働いてしまいます。抗原性物質は生き物に由来してるものがありますが、鉱物に由来してるものもあります。東北大学加齢医学研究所 生体防御学分野 伊藤甲雄助教 らによりますと、細胞内に取り込まれたパラジウムがペプチドと置き換えられてしまいタンパク質と金属が結合したものとなる。タンパク質と金属が結合したものにT細胞が活性化するとされています。これにより、アレルギー発症するとされています。歯科用金属に使用されるアマルガム(無機水銀、鉄、錫)、パラジウム、セラミック、銀合金、白金、金合金などがあります。これらの金属は唾液に長期さらされることで溶解し、唾液と伴に体内に吸収されて前身に広がるということです。金属と結合したタンパク質に対して起こすアレルギー反応がどのような症状を引き起こすのかというと、腎疲労による倦怠感、金属が体の各所に吸収された所に湿疹、金属の腐食効果によりアトピーが発生します。

 

2.ガルバニー電流

 

 金属は導体であり、電子が自由に移動してしまいます。電子が移動する、陽子化をするということなのです。金属には陽子化の多い少ないで傾向があるのですが、陽子化傾向の違う異種の金属を接触させると電流が発生します。陽子化傾向の多い金属から電子が移動して電流が流れることをガルバニー電流と言います。例えば、建築資材で錆びない金属と言えば、アルミやステンレスが有名ですが、アルミの板にステンレスのボルトやビスで固定するとアルミ板が錆びてしまう現象が起きます。これはステンレスよりアルミのほうが陽子化が激しいので電子を奪われます。電子を奪われることで物質が崩壊して腐食してしまいます。これをガルバニック腐食と言います。陽子化傾向の違う金属が口腔内に使われると唾液により合金が溶けだし、異種金属が触れ合って常時帯電するということが起きます。町の歯科医の方が「歯科医の高楊枝通信」というブログで実験をなさっているのですが、電解質内に入れられた歯の象牙質と歯科医用金属との間でどれぐらいの電圧が生じるのかを検査しています。口腔内にどれぐらいの電流が流れるのかをオームの法則(電流 A=電圧 V ÷抵抗 Ω)から計算したものです。銀合金は0.5V、銀の抵抗は1.47Ω、象牙質を構成するカルシウムは3.2Ωです。カルシウムのほうが陽子化が大きいので電子が流れ出すと考えたら、銀合金に0.34 Aが流れ込むと考えられます。このように口腔内に溶け出した金属が歯に触れてガルバニック腐食を起こし、歯が腐食する、虫歯が多くなるということが考えられます。

 歯科医の中には環境の電磁波が影響して義歯がアンテナの役割をすると考える人がいます。アンテナはどのような仕組みなのかというとダイポールアンテナの仕組みを紹介したいと思います。アンテナは波長と金属を共振させて電流と信号を受け取る器具であります。

波長はどのように考えるのかというと、真空中の光速を周波数で割ったものです。ダイポールアンテナは波長の1/2の長さの金属で電磁波と共振させる器具です。口腔内の義歯であるクラウンは10mm程度の金属です。これを2倍した波長を持つ電磁波は15GHz(波長:20mm)に相当します。300MHz30GHzはマイクロ波に分類されます。銀合金などの義歯が15GHzで共振すると考えられますが、電磁波はμVと微小な電圧になっています。ガルバニー電流は神経のカリウムイオンの-60mVに対して100倍程度の大きさの違いがあります。義歯が15GHz前後の電磁波から電子を受け取ることができる寸法なんですが、閾値を越えると電流が流れると考えられます。 銀合金が0.5V あるとしたら、カルシウムの抵抗は3.2であり、銀歯と象牙質の間で0.15 A が発生するのではないかと考えられます。

 0.34A0.15Aが常時発生して体に電気が流れるので体のチクチク感、耳鳴りが発生すると思われます。

 

3.波の衝突実験

  歯科用金属は唾液という電解質の中にある。電解質の中にある異種金属はイオン化傾向の差により電流が流れることが知られている。これをガルバニー電流と言う。歯の象牙質を基準とすると銀合金に0.5Vの電圧が計測される。そして、歯が電磁波に対してアンテナの役割をするとされているが、電磁波はμV程度なので影響がないという意見がある。これについて考察を加えたい。中学生の理科の実験道具にウェーブマシンがある。ウェーブマシンは横波を観察することに向いている道具である。ウェーブマシンは端と端で波を起こすと衝突した所でどうなるかは覚えているだろう。波動は山波と山波が衝突すると打ち消し合うことはなく大きな波になる。山波と谷波が衝突すると打ち消し合う関係にある。波は足し算の関係にあり合成することが知られている。

 

4.アンテナに生じる電圧

 アンテナは電磁波を受け取る道具である。ダイポール式アンテナはλ(波長、ラムダ)の1/2の長さの金属で電磁波を受け取る。アンテナにどのような形式があるのかというと、λ1/4、λ1/2、λ5/8、λ5/8^2の長さのものを使う。電磁波は山波と谷波の振幅を1セットにして1Hzであるが、電気は正や負が0の地点になった時に発火を起こす。ショートするという現象であるが、アンテナは+-0地点でショートの電流を受け取り給電を行うのである。

 オームの法則は電流(I)=電圧(V)÷抵抗(Ω)である。W(ワット)=IVとする。銀の抵抗値は1.47である。30GHzは波長が約19mmなので10mm程度の金属をアンテナにすることができる。アンテナにどの程度の電圧が生じるのかというと、V=√WΩで考える。V=50W×1.47Ωだとする。V=√73.5。約74の平方根は8.573である。V=8.573ということになる。銀歯にガルバニー電流で0.5Vの電圧がかかっているとしたら、50Wの電波を想定すると約9Vの電圧が生じていると考えられる。

 

5.結論

 電磁波過敏症は口腔内に使われる金属が一因となってることが歯科医に指摘されている。唾液により溶けだした金属とタンパク質が結び付いたアレル源化。異種金属を使った義歯によりガルバニー電流が流れて常時帯電状態となることで電子が蓄積される。

 歯科医用金属を原因とした諸症状は説明されるが、耳鳴り、異音などの症状はイオンチャネルにどのように作用するかのメカニズムは謎であり、耳鼻科などの説明を待たねばならない。

 

 

・参照

 

 

東北大学

 https://www.tohoku.ac.jp/japanese/2021/12/press20211227-01-mhc.html

 

 https://onlinelibrary.wiley.com/doi/full/10.1002/ccr3.938

 

 https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC5458000/

 

歯科医院の高楊枝通信

 https://plaza.rakuten.co.jp/mabo400dc/diary/?ctgy=23

 ウェーブマシン | 日本スリービー・サイエンティフィック (3bs.jp)

 (7) アマチュア無線のアンテナの電圧ってどのくらい? - YouTube

 ■ 各種物質の性質: 金属の電気抵抗 (hakko.co.jp)