総務省の見解によると、電磁波は100kHz以下で刺激作用(誘導電流)を起こし、100kHz以上で体表面の熱効果が強く発生するとされる。刺激作用は電場と磁場で発生する。磁場は渦電流が生体内に生じさせ2T~0.5Tの範囲で脳に照射されると磁気閃光が起こる。T(テスラ)はどれぐらいの大きさなのかというとG(ガウス)の1万倍の磁力線を持ってるものである。電場は周波数により電流の流れである誘導電流が生じる。神経に誘導起電力を起こすには、磁場は大きなものが必要であり、電場は低い周波数で引き起こすものであると考えられる。何故、低い周波数が生体に当たって平気なのかというと、神経の情報形式でエンコードされた信号が入ってないからである。以下は、周波数から刺激作用を計算する公式である。

 

・総務省の見解
 体内電界E(V/m)=1.35×10^-4×周波数 f(Hz)

・雨宮好文博士の見解
 ① Ie[uA/cm^2]=3×10^-7×f[Hz]×E[V/m] 
 ② Im[uA/cm^2]=π×10^-7×f[Hz]×R[cm]×σ[S/m]×B[G]

 Ie:各誘導電流密度 f:周波数 E:外部電界 Im:球表面の電流密度 R:半球形 σ:誘電率 B:外部磁束密度

 脳:R=7.5×10^-2m,σ=0.20 S/m
 心臓:R=6.0×10^-2m,σ=0.25 S/m

 

 神経は生体膜でできている。生体膜の内部の親水性があり、外部は撥水性がある。神経の外部は絶縁体だが、イオンの通り道であるチャネルだけ刺激作用で開閉する習性がある。チャネルはイオンを塞き止めたり、通したりする門の役割をしている。神経の内部は水に溶けると電荷を持つイオンで満たされている。イオンには電子が含まれているので、イオンの動きは電流と同等の性質を持っている。ナトリウムイオン、カリウムイオン、カルシウムイオンなどミネラル水が神経に使われている。神経の電位は沈静状態の時はどれくらいかというと、神経内部はカリウムイオンで満たされている。カリウムイオンは-70mVである。ナトリウムチャネルにパルス波形の電流が流れると電位が上昇し、スイッチが開く。チャネルのスイッチは-50mV前後で開くとされている。カリウムイオンで満たされた神経にナトリウムイオンが流入すると電位が上昇し、+20mV程度まで上昇する。+20mVを興奮と言う。電位が+-ゼロになるとショートと言われる現象が起きる。つまり、発火である。発火はパルス波形をしており、周りの細胞のチャネルに流れ込む。パルス波形が細胞に連続で発生するので衰退せずに信号が伝わる。以下のものは、神経の電位と周波数の関係を式で計算してみたものである。生体の神経に電場で誘導起電力を生じさせるには、111Hz、518Hz、100kHzが注目された。

 

 0.015V(15mV)=0.000135×111 Hz
 0.07V(70mV)= 0.000135×518 Hz
 13.5V =0.000135×100,000 Hz(100kHz)

 

 故・雨宮教授の見解によると10μV/cmの電流が流れると神経が興奮するとあります。30Hzから神経が興奮するとされる。神経の電気抵抗は100Ωとされる。オームの法則が生体に適用できるかは謎なんですが、計算するとこうなります。

 

オームの法則: V(電圧)=I(電流) ×R(抵抗)、I=V/R

0.00001(10μA/cm)=X(0.001<1V/m>)/100 電流=電圧/抵抗

(V/m)=1.35×10^-4×周波数f(Hz)

0.001=1.35×10^-4 × X 
0.001=0.0000135 × X

X=74.074 Hz

 

  このように、テクノロジー犯罪で過不足ない電流で刺激したい場合、総務省の生体に発生する電界だけで考えると、111Hz、518Hz。オームの法則を考慮して電流で計算すると、74Hz以上から神経が興奮するのではないかと考えられました。この辺りが丁度いい周波数であると神経の電位から逆算された。実際に、何Hzを照射してるのかは分かりませんが、可能性の問題としてこの周波数辺りが妥当であると考えられました。


・参照

 脳神経倫理学の試論 Kindle版 https://amzn.to/3rhhf3f

 ELF電磁界の健康影響と防護指針、雨宮好文、2001年、https://www.ieice.org/jpn/books/kaishikiji/200104/20010401-1.html

 https://onl.tw/aE5Hr2n