忘れられない恋があるとうれば20の頃の恋だろう


君が見ていたドラマの冒頭の部分


「たったひとつの恋」


今日小説を読んだよ


それを読みながらこの曲を聴いたんだ



君が言った言葉が間違えて冷たい水に入れた角砂糖みたいにいつまでも溶けない


かき回しても溶けずに落ちる


幼い頃に見た夢


好きな人といる自分の笑顔


そしていつしか忘れた


日々の雑踏の中、人の浅ましさの中、人のエゴの中


君と出会って蘇った感情


恋とか好きとか言葉で表せない感情


「落ちる」という感覚が一番正しい


誰だって弱いから温もりが欲しくなる


だけど君以外の人を愛せない


落ちていけない


だから溶けずに残るのかな


覚えてる?


僕が二人の部屋から帰省した時の事


離れた悲しみと切なさが募る夜にもこの曲を聴いたんだ


逢えない夜の数だけ信じる事を覚える




だから今信じる事が出来る


ありがとう


君にいつも言いたくなる言葉はこれしかない


あの頃の僕は君をきちんと愛せていた?


記憶の渦にある物語は君と僕にしか見えないんだね




空に獅子座が瞬く時、夜の闇が身体を蝕む


夜空がもたらす静寂が想いを鮮明に写す


笑った顔、泣いた顔、色んな顔の中にある僕だけに見せた笑顔


二人で将来の事いっぱい話したね


子供は何人欲しいとか、何を習わせるとか、自分達の事より子供の事ばっか話したっけ


「優」


二人が付けた子供の名前


君が優しい子でありますようにって付けた


今はその子は二人の心の中にしかいない


そんな記憶が薄れる事ですら恐い


だから涙で濡らす前に絵にしよう


雪に書く君の顔はいずれ溶ける


君がいない世界は幻想だから








夜が暗いと言うのはウソだ。暗闇に光るネオンが眩しい東京では闇は意味を持たない。


午前2時。大型トラックとタクシーが忙しく行き交う時間。ふと、目の前にある情景が嘘だと考える。

寝息をたてるキミの姿が愛しくて狂おしい。ここにいるのが僕である意味が分らなくなる瞬間だ。他の誰かの代用品として僕がいるのかと錯覚する意味。それはキミが思っているより切なくて残酷な響きなんだよ。それは僕が思ってる事だとしても。


もしもまた願いが一つ叶うとしたらそんな空想


空想と分っていても目を閉じると浮かぶ君は確かにここに居た。

24時間、僕の腕の中に蹲る君の姿は鮮明に色を付けて心に繰り返し流れ来る。


君は覚えてる?二人で歩いたゴミ捨てまでの夜の道。

二人で住んでたアパートの脇の道だよ。二人で手を繋いで歩きながら夜空を見て話したよね。

ゴミ捨て場の近くにあった自販機でジュースを買って。

よく僕が買いすぎて持てなくなると、君がそっと手を差し伸べてくれたっけ。


君が悲しくて一人泣いてる時、手を差し伸べられなかった僕。

ごめんね。

他の誰かに涙を拭って貰っていたのかな。

優しさに定義はないけど、君の欲しい優しさは僕じゃ無理だったみたいだ。


あの時から僕は生きていく意義が未だに分らないでいるんだ。

君が僕の生きていく意味だったから。

それ以上でも、それ以下でも無い。


生きる意味が無くなってから僕は朝が嫌いになった。

朝は光に満ち溢れているとか、一日のはじまりと言うけど、僕にとっては君が隣に居ない事を感じるはじまりだから。


君が好き。その響きに惰性があっても、意味が無くても、届かなくても、空に消えても。


その言葉にしか意味が見出せない。