たまたま、著名な将棋棋士の
故・米長邦雄さんが54歳の時の
「現役最後の戦い」
の動画を観ました。
(今は視聴不可です)
特に印象的だったのは
羽生善治さんとの将棋に勝った
場面を振り返るインタビュー。
米長「私が自分で不利な局面にしたんですから」
聞き手「不利な手をわざと指すというのは、どういうことなんでしょうか?」
米長「うーん、それは言うわけにはいかんのだよね(苦笑)
例えばですね、どうしてあんな人と一緒にいるのよ、ってことは世の中にいっぱいあるんですよ。
どうしてあなたはそういう選択をするのよ? っていうのは世の中にはいっぱいあるんで、それは説明することのできない世界であってね。
しかし、自分が幸せになるため、あるいは自分が勝つためにこれが一番いい手なんだという信念に基づいて指した手であって、それは難しい、表現することはできないんですね。
ただ、角が成ってくるような気がしましたね。
それで角が成った瞬間に、将棋そのものは勝ちになって、あとは自分が間違えさえしなければ、ということだけはわかったんですね」
この場面だけでなく
どの場面も渋い。
味わいがあります。
この時の米長先生54才、
自分は45才。
結構もう年齢近くなって
いるんですよね。
僕が将棋を知ったときは、
22才の若き名人・谷川浩司が
初の防衛戦に勝ったとき。
当時から
米長先生は将棋界で
5本の指に入る
「強豪」
でした。
とにかく話しの
面白い先生なのですが、
動画を改めて見返すと
【非言語メッセージ】
にとりわけ敏感な人です。
9年後、54才の自分は
米長先生のこの境地に
達していけるだろうか?!
と考えてしまいました。