「争いの原因って何じゃい?」

戦争の原因って何だろう? ということです。多くの人が、死ぬリスクをいとわず争ってきたのはなぜなのかと。

それは、「天国」があるからだと。

ここでは無いどこかに「天国」があると信じるから、この世で死ぬ事をいとわない。

って、あるご年配の方に聞いた事あって、ほぉ〜と感心した記憶があります。

1度しか会った事の無い英語の先生で、体験レッスンを受けに行ったのだけど、この話ししか記憶に残っていない(笑)。

もしこの世は地獄で、自分はあの世の天国に行くつもりだとしたら、この世なんて別段どうなってもいいわね。

あの世は、死後の世界、輪廻転生を解脱した世界だけでなく、宇宙のどこかや、よその国でもいい。

50年前だと、日本国内には北朝鮮ユートピア説とかあったからなあ。で、その信者は、たとえば、飛行機をハイジャックして北朝鮮に亡命した「よど号ハイジャック事件」を起こした。事件を起こした人達は、武力を用いて世界中で戦争を起こそうという考え方でした。

彼らのグループは、東大だの京大だのよい大学に入り、よく勉強している頭の良い人達でしたよ。

ここでは無いどこかに楽園があると信じることは、救いにもなるけど、行き過ぎると、ここの人達はみんな死ねばいいになるわけだ。

僕は現代日本の「無神論」思想ってのは、日本の平和に貢献したと思っています。

「死んだらどうなる?」と問われたら、「死んだら終わりだよ」って答える考え方です。ここ数十年の日本では、いちばん現実的とされる考え方でしょう。

それはスピリチュアルとは真逆に位置するような考えだけど、それでもそういう即物的な考え方のおかげで、

「今ここをより良い世界にしよう」

と一生懸命になる事ができた。

どこにもユートピアは無いのだから。

だから、ここで頑張ろうよと。

それが戦争を避け、平和をつくってきた一因でしょう。

ひとつの会社でずっと頑張る「一所懸命」が健全だと推奨されていたのも、ベースにはそんな考えがあったはず。

しかしながら、今現在の日本は、この

「今ここしか無い」の弊害が、どんどん強くなっている。

閉塞感として、息苦しさの方がクローズアップされてきている。

「今ここをより良い世界にしよう」と一生懸命になるのでなく、「周りの人達は、今ここで自分だけ良くなろうとしてないか? 他の人の取り分は自分より多くないか? 不公平じゃないか?!」と周りを見るようになってきた。

今まで上手くいってきた考え方も、ずっと上手くいくわけじゃありません。

いま新たな処方箋が求められているのでしょう。

その処方箋は、

「ここでは無いどこかに楽園があると信じること」

なのでしょうか。

一時の安らぎとしては必要かもしれません。

しかし、一時の安らぎでとどめるべきなのが、過去の教訓です。

やはり、

「今ここをより良い世界にしよう」

と一生懸命になる事しか無い。

それが平和の道です。

ただ、「今ここ」をもっと柔軟にとらえる時期に来ているのではないでしょうか。