前回、末尾に「アメリカは自滅しますよ。」と書いたのは、ちょっとインパクトを与えた人もいたようです。集合意識の視点で見ると、「憤兵は散る」ってやつだなという事、そして悪くも良くも素朴な思いだったから。

あ、トランプの話題は今回でおしまいです。

悪くもが先に来たのは、アメリカは「戦略」の国ですから。理性で冷徹に利益をアメリカにかき集めてきた。特にリーマンショックからアメリカは変わりまして、金融の世界でより獰猛に強欲になったわけです。結果、アメリカ経済は一人勝ちになりました。

そのかき集めた富を吐き出す事になるでしょう。もちろん、これからかき集める富も減る。これ、外国からしてみれば「良いアメリカ」が出来たと思いますよ。むろん日本にとっても。

たとえばトランプさんの政策をみると「減税」ってあるんですねぇ。減税は共和党お得意の政策でもありますから、まあやるんでしょう。

で、減税すると何が起こるか? 長期金利の上昇です。

金利が上がるってことは、「変化にブレーキを踏むこと」になります。金利が下がるとアクセル、上がるとブレーキです。これ、経済の基本原則なんですね。より細かく見るには実質金利、すなわち「実質金利 = 名目金利マイナス物価上昇率」で見ます。

金利7%の国、金利0%の国、どっちが金利が高い? と聞かれたら、もちろん7%。

が、金利7%の国が物価上昇率9%、金利0%の国は物価上昇率0%ならどうなるか? 前者の実質金利はマイナス2%、後者は0%。金利0%の国の方が金利は高いことになります。

デフレ時代とさわがれていた頃の日本は、超低金利のようで、実は実質金利ベースでみるとそうでも無かった。

金利が高くなるほど、お金の動く回数が減るイコール経済における変化のスピードが減ります。

ようするにトランプさんのもたらすアメリカの方向性は「ブレーキ」なんです。

変わってたまるか! と。世の中の流れなんてくそくらえだと。

別に悪い事じゃないですよね。立ち止まりたいのなら、立ち止まればいい。

変化がますます加速する! という議論もよく耳目にしましたが、アメリカはそこにストップをかけた。経済学的に見るとそうなります。

世界一の超・大国アメリカが、変化に「NO!」を選択した。

で、どうしたいのか? という事でしょうね。それが大統領チームにあるのなら、いや違うな、アメリカ国民の集合意識にあるのならば、新たな方向性を見出す、あるいは傷を癒すような時間になるでしょうけど。

未来の日本に、アメリカは無い。いろんな意味でね。

日米同盟だって、日本国にとっては江戸幕府のようなもの。つまり「体制」です。強力な体制ではあるけど、しかし「永遠に続くものでは無い」。

ポスト日米同盟を真剣に考える時期が来たというのは、親米保守派もふくめて、どうも多くの日本人が感じているようですから(そりゃ生粋のアメリカ好きなんてほとんどいない)、そういう方向性になるんじゃないでしょうか。

未来を意図すれば、達成する手段はおのずから生じてくる。

日本にとっては意図せざる、でも心の奥深くでは願っていた「革命」になるかもしれませんね。

黒船来襲の逆。

黒船撤退^^


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