先日、友人のライター佐藤友美さんの出版記念パーティーにおじゃましてきました。ポール・ボキューズ代官山で、おいしい食事と手厚いおもてなしに、満足の時間だったのですが、そんな「どうだー、うらやましーだろー」をしても意味ないので、これくらいにw

サトユミさんは、下の写真のような女性の髪に関する本を6月9日に発売され、現在6刷りと好調です。写真というか、お店がつくってくれたケーキです(!)。



6刷りだから、発行部数にすると、もう2万部は超えているでしょう。あ、憶測、想像です。3万部に達すると世間的にベストセラー認定されるので、その時には多分発表されるんじゃないかな。

サトユミさんの壇上にのぼっての話しを聞くのは今回が2度目だったのですが、やっぱり改めて学ぶところがあって。

「本が売れればいい」というのは、出す人はたいてい思うところ。でも、「売れる資格」ってあるのですね。これ、ビジネスにたとえると、「もうける資格」ないし「条件」と置きかえてもいいです。

それは「売れると多数が幸福になる」ということ。

サトユミさんは、個人的にお人柄を知っているのですが、いつも他人の事ばっかり考えているヒトです。他人の世話ばかりして、他人の心配ばかりして、自分の事となると、洗顔に洗剤を使っても気づかないような人なのね(たとえ話じゃなくて実話)。ぜんぜん興味無いんだと思う、自分のことは。

それが精神的に健全かどうかはともかくとして、そんなサトユミさんでも本書は売れて欲しいそう。

理由はこういうことなのです。

一言でいうと、美容師さん業界がうるおうこと。美容師さんの魅力に世間がもっと気づけば、そうすればメディアは美容師さんをネタに番組をつくり、視聴した女性はもっと美容室に来る。そうすると、美容師さんの地位・経済力が向上するだけでなく、髪がよりキレイになった女性はもっと幸せになる。ついでにキレイな女性が増えれば男性もハッピーだろうと。

でも課題があるのですよ。そこに1年前からサトユミさんはぶちあたっていて。それは何かというと、マスメディアにとって「美容師さんを取り上げても、市場は小さいのでは?」ということ。服やメイクは市場はあるのですが、髪はどこまでニーズがあるのか? というのが世間の認識だったわけですね。

この認識を打破するのがサトユミさんが本を出す目的だったのです。

なんでサトユミさんがそんな事に熱を上げるようになったのかは、本書をお読みいただくしか無いのだけど、ちょっと言うと、美容室で「こんな髪型にしたい」と初めて注文して、いつもよりいい感じに仕上がった時があって。そうしたら、後日「その髪、かわいいですね」と言われたのです。

これが。これが人から言われた人生初「かわいい」。サトユミさん25才にして、人生初「かわいい」をゲットしたのです。

だから、サトユミさんにとって美容師さんは魔法使いそのものなのです。

サトユミさんは自著じゃなくとも、他の美容師関係の本が売れればそれでいいと言います。とにかく業界全体が発展して、もっと多くの人が美容師の魅力に気づいてくれればいいと。

売れる資格・条件って結局何か? 

サトユミさんのケースをたどると、「志」の大きさにつきるなと。どれだけ多くの人の幸せに目配りしているのか。

自分の生き方が問われています。だから、本を出すってこわいんだよ。

6刷りってそうとうに良い結果です。出版としてはもう成功なのね。

というのも2刷り(1回重版する)の本は全体の20%。3刷り(2回重版する)までいく本って、全体の2%だから。サトユミさんの本は、2%どころか、もう1%未満の領域にきている。

本が2万部を超えると著者の人生は変わるっていうけど、実際サトユミさんの人生は変わりつつあります。

でも、サトユミさんの志、野心を思うと、まだまだ。まだまだ満足にはほど遠いだろうなと思えるパーティーの一夜でした。

本のタイトルは『女の運命は髪で変わる』。サトユミさんの運命も変わったし、今も変わり続けています。