先だっての週末2日間、サンマーク出版さんが主催する「本気で著者になる出版ゼミ」というものに参加してきました。これからまだ6月、7月と続きますが、4名のミリオンセラー編集者を始め、10名のベストセラー編集者(皆さん20万部以上の本を世に出している)が講師になって、ゼミ生に熱血指導・書籍の企画をブラッシュアップしていくというものです。

事前にプロフィールや志望理由を出したうえで、選抜がありました。希望者が全員受けられるわけでは無かったのですね。半分位は落ちたと思われます。そのうえで書籍にしたい企画書を送付して、ゼミ初日を迎えました。

で、2日間参加して思ったこと。

まずセミナーの冒頭、時間になって受講生のメンター役となる主な編集者の方々が前に立った時に、会場中に緊張が走りました。「ほぅっ、こりゃー普通のセミナーと違うぞ・・・」と内心思いました。別に怖い人達じゃないのですよ。ただ普通のセミナーと違うところは、これはオーディションだということです。受講生は30人程いるのですが、グランプリで1位になった人はそれで即出版が決まります。その他、見所のありそうな数名も何かしら表彰されて、おそらく出版する可能性が有力でしょう。かつてのASAYANみたいなものだということですね。

※ASAYANとは一世を風靡したオーディション番組で、小室哲哉やつんくがプロデュースして、モーニング娘。や鈴木あみなど、多くの人気アイドル・アーティストを生み出しました。

楽しいセミナーに参加しにきたわけでは無いということです。受講料は40万円。安いと思いましたねぇ。単純に著名な編集者からよってたかって講義を受けるだけでも十分に元は取れると思います。が、さらにオーディションがあります。オーディションに受かれば、受講料はチャラどころか、はっきりとプラスの数字が返ってきます。

みんな本気でしたね。全員その人なりの本気になったと思います。参加者は最年少は30歳でしたが、おそらく平均は40代後半です。私40歳はどちらかというと若い方。皆さんセミナー講師稼業など、教える側として、あるいは司会業やライター、著名人を撮影してきた写真家さんなど発信する側としてかなりのキャリアを積んでいる人が大半でした。

そんな舞台慣れした百戦錬磨の人達が、企画や自己紹介のプレゼンでド緊張されていました。本当に人によっては震えているのですよね。私も緊張しましたよ。まぁ人前に出るときは、いつもそれなりに緊張しますが、みんなの勢いに引っ張られて、いつもよりも気合い入っていたと思います。皆さん、きわめて迫力ある、あるいは上手なプレゼンテーションでした。

そして、おそらくこの本気ゼミ(略称)は、大半の参加者にとって、「上を目指す」という意味で自分を成長させていく「ファイナルステージ」だと感じました。というのも、中年になって、人を指導する側になっている人達というのは、基本「ぬるい」環境にいます。厳しく叱ってくれる人、筋の通った助言をしてくれる人は居ません。助言してくれる人はいるのですが、その人の中に、甘えや嫉妬、あるいは反発や不満、恨みつらみなど、多かれ少なかれ、ゆがみが入ってきます。なので、実は他者の助言はあまりまともに聞いてはいけないのです。これは裏を返せば、相手との感情がもつれて、まともに聞けなくなっている自分というのもまた居るわけです。

それだけに、一貫した考えのもと、ビジネスライクにびしびし指摘してくれるコーチの存在というのは、辛いけれども人間を成長させていく薬になります。正に「良薬、口に苦し」で、今のレベルにいるからこそ、大変大変貴重です。

もっともこれだけだと、「そんな機会は確かに年齢と共に少なくなるだろうけど、そうは言っても、本人がその気になれば、まだまだそういう機会はあるでしょ?」と思われるでしょう。確かにその通りです。それでもファイナルステージだと主張するのは、今回のゼミは期せずして、世界一のエネルギーレベルにあるからです。

たまたま今、サンマーク出版の代表的な著者のお一人である近藤麻理恵さんの著書が全米で3ヶ月連続ベストセラーランキング1位です。全米トップというのは、芸能部門では、他に、坂本九さんが全米ビルボード1位になった位のものではないでしょうか。スポーツならば、女子ゴルフの岡本綾子さんや野球のイチローさんなどがいますが、芸能部門で世界のトップに立った人というのは、実質近藤さんが最初だと思われます。ちょうど米TIME誌が選んだ世界で最も影響力ある100人にも、日本人からは村上春樹さんと共に選ばれましたが、正に天下を取った人だと言えるでしょう。

その近藤さんは実はサンマーク出版さんからしか本を出していらっしゃらなくて、いわば純粋培養です。そんな世界一になった近藤さんを生み出した出版社は、世界一のエネルギーレベルだと言っても過言では無いでしょう。もうこれ以上「上」はありません。

だから「上を目指す」という意味で自分を成長させていく「ファイナルステージ」だと思うのです。もう二度とこのようなレベルで自分を鍛える機会は、おそらく無いだろうと確信しています。

そうそう、最後にエネルギワーカーとして、サンマーク出版さんをどう感じたか。ゴールデンウィークにアラーキーの写真展に行ってきましてね。アラーキーの動物的とも言える熱気あるエネルギーを感じてきました。あそこまで激しく暴れ回っている感じではありませんが、サンマーク出版さんの方が、より整った高温エネルギーという感じでしたね。アーティストではありませんから、炎そのものというよりも、冷静さがあるのでしょう。それでも、これまでちょっと感じた事が無いレベルの、大きな大きな熱いエネルギーでした。