不動産投資の本、4冊読みました。いやー面白かった!本屋で立ち読みして購入しましたので、しっかりした内容のもののみを選べたと自負しています。4者4様で、一押しのスタイルは違いますが、共通している部分もありました。

4様はそれぞれ
(1)REIT(不動産投資信託)がいいぜ!
(2)中古マンション一棟買おうぜ!
(3)1千万円以下のファミリーマンションをリフォームして高く売ろうぜ!
(4)自宅を高く売り続けて、わらしべ長者のように買い替えていこうぜ!

(1)は一般的なイメージの不動産投資ではありません。証券投資です。一般的な不動産投資であるマンション一室の投資実例も、ご自身のマイホームを例に詳しく解説されていました。オーソドックスな内容で、特に皆様に知らせる事はありませんが、特徴的だったのは、ご自宅のマンションを築30年以上で購入されていたこと。新築NG、20年で資産価値が半分になる、だから中古でいいんだという事で、実はこれは全員同じ意見でした。

この人、典型的な不動産エリートなんですよ。九州大学を卒業して三井不動産に入社して米国の名門大学院を出て独立して、と。なので、きわめて常識的な内容で、個人で不動産運用をしても、業界人が余程工夫してもそんなにおいしいもんじゃないよという事が分かります。だからREIT。大手の不動産会社が資産価値の高い不動産を運用していますが、その投資資金を個人からもつのっているのですね。不動産投資はミドルリスクミドルリターン、でもそれはプロの話し。プロの中でも大規模資本のプロがやっている事に乗っかった方が得するよ、ということです。

(2)はスマートな不動産のプロですが、はい、だます側の人です(笑)きわめて頭の良い方でした。よく読むと、ちゃんと「ここは私ウソを言っていますよ」とポイントを書いてくれています。勿論あからさまには言っていませんので、読解力のある人は、「あ、手を出しちゃいけないな」と分かりますし、読解力の無い人は、この方に不動産購入の相談に行かれるでしょう(笑)

不動産投資って、融資額が年収の20~30倍なのですねー。ビックリの世界でした。マイホームのローンだと年収の5~7倍くらいですからね。あなたが年収1000万円あれば2~3億円借りられます。これだけあればマンション一棟買いができるのですね。

誰がそんなのやるねん!と思いますが、やる人は2タイプあって、この2タイプの事例が繰り返し紹介されていました。1タイプは独身の比較的高給取りサラリーマン。年収800万円~1000万円少々で、おそらくは大手上場企業にお勤め。年齢は30代後半から50代前半です。もう1タイプが妻子ある医者。年収は1500万円以上で、病院以外の世界を知らない人達です。

彼ら位、しっかりした収入の裏付けがある人達だと、マンション一棟の購入・運用が可能になります。ただし落とし穴があって、みな不動産投資歴10年未満。この方法が破綻するのは、25年位なのですよ。デッドクロスと呼ばれる現象に遭遇するのですが、ちゃんと本にそうなる時期が20~25年目位と書いてくれていて、「あ、2~3年でマンションを売り払って抜け出さないと、結末は悲惨な事になるな」という事が分かります。続ければ続けるほど収支が苦しくなるんです。しかし事例の人達は皆、さらに規模を膨らませようと拡大意欲にあふれていて、一旦始めると取り憑かれたように拡大志向になるのだという事が理解できました。

(3)のノウハウは真似できるならば、それなりに上手くやれるプロの不動産投資家の書籍だと思いました。個人が不動産投資の師匠にするならばこの方でしょう。500万円で売りに出されたマンションを値切って400万円で購入して、リフォームで資産価値を上げて、2~7年後には550万円で売るみたいな内容です。勿論、売るまでは賃貸に出したり自分が住んだりして、家賃収入も得る・ないし節約します。見事なものだと思いましたが、プロの仕事なので、自分が同じ事をするのは、普通のお仕事と同じく、この道でしっかりやると思い定める必要があります。同時に、そこまでやるのならば、もう職業のひとつですから、比較すべきは他の職業です。正直、そんなに割のいい商売には思えませんでした。同時にプロフェッショナルだなと思いましたが、それは素人が容易に真似できないということでもあります。ノウハウの内容は明快でしたが、経験値が10年は必要で、横でコーチしてくれる師匠も必須です。

(4)は、うん、マイホーム購入(新築ないし築浅物件)に血道をあげる合理的な理由が分かる本でした。条件の良い新築マンションは金があれば買えるものでは無くて、応募が殺到するのでくじ運も必要です。かなり必死になって情報の収集と足を運ぶことが求められます。あるブログの記事のセリフをそのまま引用すると「急いで買わないと、良い立地のマンションからどんどん値上がりしちゃうよ!○○エリアなんてどう?」ということです。今、都心などタワーマンションで盛り上がっている地域はこんな感じですよ。

この本で勉強になった事がひとつ。安物買いの銭失い、という格言は金言だなと。買える所で妥協するのでは無くて、買いたい所を買うのがマイホームでは何より大切だなと。新築NG、20年で資産価値が半分になると前述しましたが、ほんと、買ったらすぐに多くの不動産はめちゃ下がります。が、下がらない所があるわけです。そういう所を買えるか買えないかで、うん千万円の資産格差がつくという事がよく理解できました。「5500万円?立地は良いけど高いな。お、隣駅で3800万円で売っている。これなら買えるな」としてしまうと20年後、3800万円は1800万円になり、5500万円は5000万円を保っている事態になるということです。どちらの選択が正しかったか、一目瞭然ですよね。

たった一駅でこうも違うか!という位、10年後20年後に資産価値が開きます。マイホーム選びに妥協は御法度ですね!新築時に同じ価格・広さでも、ちょっとした立地の違いで、10年後にはおそろしい価格差がつきます。一駅二駅離れてるだけやん!そんな変わらんやん!と関西弁が出てしまうけれども。

で、私はどうするかですが、やるならば普通にマイホーム購入ですね^^ めっちゃ普通。フラット35のローンとか申し込める住宅用です。不動産投資と思われる心配はまず無いですから、連帯保証人もすんなり確保できることが予想されます。

ただ、「急いで買わないと、良い立地のマンションからどんどん値上がりしちゃうよ!○○エリアなんてどう?」なんですよ。もう無いんちゃうか??と思う位、あるエリアに絞って現在の新築物件をざっと見ましたが、大した事無いですねぇ。たった一駅でこうも違うか!のめちゃ下がりする事が容易に予想できる物件ばかりです。2006年位に目覚めていれば、良い所を買えたかもしれません(苦笑)

同時に、今は新築は割高のようで、数年は買うなと。なのでお休みですねー。やる事といえば、万一良い所から中古が出れば確保という手ですが、中古で出てくるのはちょっと落ちるのよなー。良い所は住民もほとんど手放さないみたい(そりゃそうだよね・笑)

あと、マンションの値下がりと同様、全員が言っていたのが、いわゆる郊外一戸建ての価値が地に落ちるということ。一昔前のすごろくのゴールが郊外一戸建てでしたが、これからの人口減で見るも無惨に資産価値が落ちるという指摘です。これはさすがにみんな分かっているというか、多分そうなるだろう事は予測しているでしょう。

私の当初の人生設計では、60歳位になったら、この価値が暴落した郊外や地方の家を拾うということです。今のお金で300~500万円もあれば、家族4~5名で住める家が手に入るでしょう。当初の予定通りこれでいいかな、って感じもします。今でも500万円位あれば、首都圏でファミリーマンション購入可能ですから、いずれもっと良い物件が入手できることでしょう。

いや!都心で不動産運用するんだ!となると、もうREITを購入して、大規模資本の中のほんの一部参加するのが現実的だなー、でもREITやるならば今の証券投資で十分だなーと思った次第です。

なので結論。不動産運用をするには、時機を逸した。理由は不動産運用は都心の一等地のような所でしか上手くいかないが、そこはもう他の人が確保してしまったから。勿論大金を出せば今でも確保できる場所はあるが、そこまでの資産は現状無い。なので、2021年以降になって再検討するか、当初の予定通り、運用なんて考えず、素直に郊外・地方でマイホームとして気に入った所に安く不動産を購入するかです。