エネルギーワークによるヒーリングというのは、基本非常にシンプルなものです。宇宙とのパイプになってクライアントに必要なエネルギーを流す、そう意図するだけ。宇宙とのパイプという言い方が意味不明であれば、心静かに”無”になって、でもいいでしょう。

だから簡単ですよね?と言われると、素人に近ければ近いほど困ってしまうでしょう。本当にノウハウとしては削ぎ落すとこれだけなのです。だからといって「分かりました!じゃ”無”になってエネルギー流しますねぇ~うひょーこれが”気”か~流れる流れる~」なんてノリにはなりません(笑)

なので、はしごを上るがごとく、まずこれをしてあれをしてと、ステップを刻むことになります。そうすることで、ヒーラーがヒーリングをする意識・土台をつくっていくことになります。そして繰り返しヒーリングをしているうちに、おのずとヒーリングのステップはシンプルになっていきます。

で、上級者となって指導する立場になったヒーラーが陥りがちな罠は、「ヒーリングってシンプルだよね。じゃこのまま教えてしまおう!」というものです。ステップを取り去って、本質的なヒーリングノウハウだけ教えると。そうすると、どうなるか?ここまでの論理に従えば、生徒はヒーリングをする意識・土台ができない、すなわちヒーリングの基礎が身に付かない状態になります。


自分の到達点を教えても実は意味無いのですよね。頂上のことをいくら教えられても頂上にはたどりつけません。麓にいる人間は頂上までのルートを教えてもらう必要があるのです。

こうした見解にいたったのは、この道20年以上のベテランヒーラーから教わった人達のヒーリングをまとめて受ける機会が、もう何年前になるのかな?あったのですね。一言でいうと玉石混交で、石の方が多い。レイキ業界用語で言えば、シンボルの無いレイキなのですが、レイキヒーラーは誰に教わったかで結構色が付きます。現代レイキ、直伝レイキ、レイドウレイキ、同じ臼井レイキでもそれぞれ個性が分かれますが、直伝っぽいエネルギー、現代っぽいエネルギー、レイドウっぽいエネルギーというのがあるのですよ。それは師匠のヒーリングエネルギーをコピーしているからです。

シンボルの無いレイキというのは、正に「あなたの」ヒーリングエネルギーです。だから良くも悪くもエネルギーレベルはバラバラです。一定の質保証という概念はありません。全然ダメ~!という事もあれば、そんじょそこらのレイキヒーラーなんて目じゃないぜ!位にレベルアップしたヒーリングをする人もいます。特定のヒーリング手法には上限・下限の枠がありますが、その枠が取っ払われるからですね。

ヒーリング中級者が教わるには、シンプルなヒーリングはおそらく良いやり方ですが、初心者には向いていないでしょう。例外があるとすると、マントラ(真言)の設定が巧みな場合です。ヒーリングエネルギーを発動させる祈りの言葉を指していますが、ここで、ヒーラーの意識・土台が定まるような祈りの言葉を設定できれば、中々良いヒーリングが初心者でもできます。これもまた別のベテランヒーラーさんによるヒーリング勉強会で色々な参加者からヒーリングを受けて学んだ事です。

同じベテランでこうも分かれてしまうのは、実は理由は簡単です。ベテランだからといって、エネルギー感覚が発達しているとは限らないということです。体感として、気感として、ヒーリングの質を把握する感性がどれだけあるかということで、この感性があまり発達しきれいていないと、理屈は正しそうに見えてもヒーリング教育として質の悪いものを提供してしまう事になります。優れたヒーリングかどうか判定できるほど、教える側の感覚が発達していないと、質の悪い教育になるということですね。

玉石混交の生徒さんを養成したベテランヒーラーさんは、正直ヒーラーとしては、うーん、ベテランとはいえレベルが低かったです。”気”がよく分からない、鋭く見抜く直観があまり働かない、と超感覚がいまいちだったのですよ。といってこの超感覚、教えられるものでも無く、完全に才能の世界なのですよね。逆に、適切な祈りの言葉を設定できたヒーラーさんは、異世界とのコミュニケーションに長けた鋭敏な方です。

名選手は必ずしも名コーチにあらずと言い、スポーツでもプロとして大成しなかった名監督はかなりいらっしゃいます。しかしヒーラーの世界は名選手は名コーチになるための最低条件です。

名ヒーラーは名コーチなり、なのです。

あ、そうそう。最後にフォローしておきます。レベルが低いとこきおろしたベテランヒーラーに教えられたからといって全然ダメかというと、否定ばかりでもありません。中級者には良いと書いたのをお忘れかもしれませんのでね。鈍いベテランヒーラーから学ぶ事、大いにありました。

名ヒーラーは名コーチですが、それはあくまで初心者を中級者にするところまで。中級者からさらにステップアップするには、個性の発露と、独立してヒーラ―業を営む同士の刺激し合う関係が重要な要素です。反面教師を見つけるのも大いにアリです。鈍いベテランヒーラーは、自分のエネルギーをコピーするという手段を取らずに、個々の個性を発現させるというアプローチを取られていたのですから、これはスキルや才能のレベルさえ合っていれば素晴らしいアプローチで、特に中級者から一皮むけるには、この個性の発揮が最大のポイントです。