2日間、福島県いわき市などへ出張しておりました。

初日は、いわき市内にて、東電への賠償請求のような形とは異なる、建設的なアプローチをしたい主婦グループが主催の講演会に出てきました。福島県内外から100名を超える人達が集まる盛況ぶりでした。

お一人目のサトケンさんは、一皿からの社会変革を志す、料理人というか理想社会を実現しようとする運動家というか。内部被曝対策の食事は、そのままセレヴが実行しているような美容・健康対策にもなるよというお話。伝統的な日本食・自然食、そして地球環境に優しい生活を心がけようということでした。

健康よりもまず、健康になって何をしたいのか?それが大事。そして、食事が個性であるという話。私達の食事内容が私達を形づくっている。地域地域で、同じ味噌でも微妙に異なることで、私達の地域性が出てくるということでした。

青森人らしさとか、京都人らしさ、あるいは日本人らしさとは、その郷土のものを食べているからこそ出てくるのだなと思い、この点、私にとって新たな気づき・視点を獲得することになりました。

あと、以下はサトケンさんの伝えたい趣旨とは異なりますが、日本は世界でもっとも世界中の食事が集まる国です。そのための食糧輸送コストも当然世界一ですから、この点、サトケンさんは非難すべき事として取り上げていました。が、私は「あ、だから日本は世界の縮図なのね」と逆にポジティヴに受け取ってしまいました。

次に歯科医の中山孔壱先生。いわき市小名浜で開業されており、サポートする奥さまも非常に有能な方です。

中山先生の喫緊の問題意識。それは福島の子供達に甲状腺癌の発症が増えていること。今年の県の健康調査の結果は、原発事故の影響により子供達の甲状腺癌が増えていることは、もはや客観的にも認めざるをえない所まで来ています。

その予防として、歯医者さんらしい解決方法を提案されました。それは「水素ガム」。仙台のTAANEという会社と共同開発されました。最近、水素が健康に良いとして、水素を含んだ健康食品が一種のブームにもなっています。

水素(H)は、フリーラジカルと呼ばれる活性酸素の中でも、最も中和の困難なヒドロキシルラジカル(OH)を体外に排出する効果が、日本医科大学の研究グループにより確かめられています。OHにHがプラスされると、H2O、すなわち水になるので、汗や小水で出てしまうわけですね。

フリーラジカルは、放射線を浴びると生成されるのですが、実は万病の原因でして、体の酸化、すなわち老化を促します。チェルノブイリ原発事故の時、動物の中で遺伝子異常によりツバメは激減した反面、ねずみは影響をほとんど受けませんでした。

これは、ねずみは放射線にさらされると抗酸化物質を発生させて、フリーラジカルを体外に排出できた反面、ロシアのツバメはアフリカからろくに食物をとらずに長距離を移動するので、抗酸化物質が非常に低下した極度の酸化状態でチェルノブイリに到着することから、フリーラジカルの排出がろくにできなかったことにあります。

で、水素ガムに戻ると、歯医者さんらしく、虫歯予防効果のあるキシリトールが60%と多く含まれ、また再石灰化効果のあるリン酸三カルシウムも含まれています。添加物は極力含まず。

ガムの面白い所は、喉や脳にすぐ浸透すること。サプリメントだとまず胃腸、そして血液をめぐって・・・と時間がかかります。特に水素というのは最も小さな元素ですから、例えば脳には本来脳関門によって物質は通らないものですが、水素だと脳関門を通過してしまいます。

もうひとつ、これは講演では無くて、後で聞いた話ですが、歯周菌と虫歯菌は実は大半の病気の原因になっていて、これらをキレイにできれば大丈夫という、まぁ面白い情報を聞きまして。歯医者さんの専門である口腔を制すれば、病の予防はバッチリというわけですね。考えてみたら口腔は、体内への最大の入り口ですから、ここでしっかり病原菌を食い止められれば何も問題は無いのかもしれません。

母乳に含まれている菌を含んだトローチのような錠剤を試作されていて、こいつで腸内と口腔内(歯周菌と虫歯菌)をきれいにするのだそうで、早速なめました。

てか、オレ何やってるねん。健康オタクとかでは全然無いのだけど。独身男の一人暮らし、家事にはうとく、オール外食、ファーストフード店常連なのにな(笑)

水素ガム+そのトローチを食していると、ここだけの話し、歯をみがかなくても良いのでは?という口腔状態になりました。今、福島県の子供達の健康状態は、高血圧状態の人数が震災前の9倍になっていて、体の酸化が進んでいることが推測されます。

水素ガムは、福島の未来を担う子供達の健康を守る、大きな道具のひとつになるでしょう。一介の地元の歯医者さんが主導して作ったのは素晴らしいですが、本来は大病院とか厚生労働省とか大手製薬会社とか、もっと資本力も信用力もあるところが頑張ってくれればとも思います。