また政治の話で申し訳ないですが^^;、TPP(環太平洋パートナーシップ)をめぐる人々の反応は、情報学徒としてはすごい面白いなぁと思うのですよ。7~8年前の日本では、メディアリテラシーといって、大手マスコミの流す情報に対して、批判的に論理的に受けとめることで、情報の真偽を見抜いて適切に活用しようという取り組みが結構盛んでした。あ、当然ながらというか、欧米の方がメディアリテラシー教育はずっと盛んです。


権威ある情報源だからといって、うのみにするなっちゅーことです。そして正しい知識を身につけていこうという。僕も、幼稚園~高校までは新聞を愛読していましたが、大学生にもなると、「陳腐な意見だなぁ~おい、レベル低いぞ?!」と生意気にも思うようになりまして(苦笑)、大学卒業と同時に、テレビと新聞からは卒業しました。情報源として、物足りなくなったのですよ。物事に対するもっと深い切込みが欲しくて、結局より専門的な情報源に関心が向くようになりました。


で、今現在の日本でメディアリテラシー教育はどうなっているかというと、残念ながら下火になりつつある。というか元々特別盛り上がってませんでしたが、さほど盛り上がらないまま緩やかに下り坂になっていっているなぁ~という、これは全くの個人的な印象論です。


ただ、今こそメディアリテラシー教育がより必要だと感じていまして、それは、情報源が、大手マスコミよりもさらに信用のおけない便所の落書きレベルのところに移ってしまっている人が多数出てきたなぁ~という現実を、これも印象論ですが感じているからです。


「おいおい、これは単なる”あおり”だよ^^」という、デマ特有の一目でわかるおどろおどろしい情報に、簡単にのせられる。今まであまりそうした情報に触れてこなかったのか、耐性が無いのですよ。それらの情報源は、それこそよくデマを飛ばすので有名なトップ屋とか、昔ながらの反政府的な市民運動家とかそういう類なのですが、鵜呑みにする人が妙に増えてきたなぁ~と感じているのです。


だから私は、より現代流にメディアリテラシー教育をアレンジし直すならば、「とりあえず新聞読むところから始めてくれ。朝日でも読売でも日経でも毎日でも良いから」と。そう、かつてメディアリテラシー教育対象として想定していたレベルに、まずは戻ってもらう必要があるでしょう。別に新聞、レベルアップしてないですよ。むしろ劣化しています。しかし、悪意をまき散らすような内容では無いし、また事実が沢山掲載されているという特徴があります。これは本当に貴重なリソースでして、事実だけ知っておけば、たとえ報道されなくとも「あ、背景はこういうことだろうな」と想像で理解できることも出てきます。


いやもう現状のメディアリテラシーは、惨憺たる有様だなぁと思ってます。人間、自分の都合の良いことしか信じないと言われますし、実際そういうものなのはわかりますが、それにしても行き過ぎだろう・・・と感じます。だからまず事実から。そして事実と意見の区別を徹底して行なう訓練は、残念ながら多くの人は体験しないですが、これも体験して欲しい。


メディアリテラシーの鉄則は、まず複数の情報源にあたること。日本だけでなく海外もチェックするとか。そして情報の出所を確認して信頼がおけそうか吟味すること。ただ吟味するときに、これ人間の特徴ですが、自分の主張と合っているから「この情報源は信頼できる!」ってやっちゃうんですねぇ・・・。


いやそれが普通といえば普通なんですが、そればっかりやってしまうとウソばかりで頭をふくらませていることになります。弁当箱に汚泥を詰め込みまくっているようなもので、知っていることの大半は捨てた方がずっとマシという状態。



あ、最後にTPPですが、賛成と反対はキレイにわかれますよね。2割賛成、2割反対、6割特別関心無しだと勝手に感じてますが、賛成派の人は海外ビジネス経験者。これはほぼ賛成。逆に海外ビジネスにたずさわってない人達は、関心が無いか反対の人が多くなりますね。


ま、わかりやすいですよ。構造が変われば、得する人と損する人が出て来ます。(努力次第で)得する可能性のある人達は賛成し、得する可能性はゼロで損する可能性だけある人達は反対する。非常にわかりやすい構図です。


もうひとつ賛成している層は、構造改革論者。より詳しく言えば、産業構造を転換するべきだと考えている人達。好調な事業や将来性ある事業は拡大し、衰退する事業は止めようという、単純な発想。「補助金じゃぶじゃぶつぎ込んでようやく生きているような産業は、つぶれた方が全体のため」という考え方ですね。


で、最後に。私は今は、TPPに賛成というより、どうかな・・・?米国の狙いは大分わかってきたから、確かにヤバイわ。ただし、英語圏でも普通に生活できる人達にとっては、全くやばくありません。まして日本という枠に閉じずに、グローバルに活動している人達にとっては、むしろチャンスでしか無い。


それで最終的な狙いですが、どうやらNAFTA(北米自由貿易協定:米国、カナダ、メキシコ)に日本も加盟してもらって、通貨統合しようということのようです。欧州連合(EU)のような状態ですね。TPPのその先の先の先くらいの話ですが。


最終的には、「地球がひとつになる」という理想をかかげるのであれば、国と国の間の障壁なんてナンセンスというか取っ払うべきものでしかありませんが、はてさて。


ま、この先どうなるかわかりませんが、正直TPPレベルの変化だったら、たとえ反対あるいは慎重でも、楽しまなきゃ損だとは思いますね。面白いじゃん、前提が変わるのって。たとえ、円が別の通貨になるヤバイ変化が起こっても、それはそれでね。円は私自身は捨てたくないけど、そうなったらなったで、ね。その時の話じゃないですか。


そういえば月1億パーセントのインフレがおこったジンバブエは、自国通貨は消滅し、ランドとドルになりました。1億パーセントインフレなんてなったら、もう笑うしかない(苦笑) でも人は生きているんだよなぁ~失業率90%ですよ?まぁ働いて給料もらっても意味無いけど^^;