前回の記事で手術を受けた旨、書きました。そして全身麻酔から目覚めて見ると・・・最悪の気分だったと(苦笑)


うっすらと意識が目覚めて、そばにいる看護師さんの声がまるで遠くからのように聞こえてきます。呼吸器をまだしていました。で、私の第一声。


「(半分ろれつがまわらない感じで)おしっこがしたいです」


まず尿意を感じてたんですねぇ。返答は無かったか、あったとしても聞こえなかったです。段々意識がはっきりしてきました。どうやらどこかの病室にいるようです。手にナースコールのボタンを握らされて、看護師さんは去ります。


すぐに気分が悪くなってきました。胸のむかつきというやつで、吐き気がします。口に唾液がたまり、のどの奥に痰を感じます。「確か飲みこんではいけなかったような・・・?」


ナースコール。やはり、飲みこんではいけないようで、「出してくれ」と、受け皿となる小さなプラスチックの容器とビニル袋にティッシュ一切れを渡されます。全身麻酔の影響で、呼吸器がまだ動いていないので、唾液などを飲みこむと嚥下障害を起こしやすい状態とのことです。なかなか苦しいです。そしてむかつきを訴えますと、「吐き気止め」が点滴に追加されました。


段々、数十分もすると、大分むかつきが収まってきました。この頃には持続的な尿意を気にする必要は無いことに気が付きました。尿道カテーテルが通されていたのです。


そして今度は、唾液と痰の苦しさに意識が集中します。近くの病室から、「あー!!」「カーッ!!(痰を豪快に吐く時ののどの音)」という大きな声がひびきわたります。お年寄りの患者が何か騒いでいるようです。状況はよくわかりませんが、大勢の看護師達が寄ってたかって面倒を見ている様子。


何度も繰り返し「カーッ!!」という大きな声が聞こえるので、私までより痰を吐きたくなります(苦笑) ところが、この豪快な「カーッ!!」という動作。この時の私には、やりたくても出来ません。なぜなら、へそを切ったため、お腹を使うような動作をすると、やはり傷口付近が痛むのですね。胸のむかつきを自覚する頃には、既にこのへそ付近の痛みも感じていました。


さて、ティッシュ一切れでは足りません。ティッシュは無いかと探りますが、身動き取れず、首を起こすことすら出来ない状態で、視界は天井や部屋の壁と私にかぶさる分厚い布団しか見えません。またナースコール。「ティッシュください」。何と私のすぐ頭上にありました^^; 通常なら気づく場所なのですけどね。やれやれこんな所にあったかと苦笑する思いでした。


「(午後)3時になったら呼吸器を外して良いと先生から言われてます。そうしたら呼吸も少し楽になりますよ」とのこと。


「今、何時ですか?」「今2時です」・・・10数分後位にも、別の誰かが「今何時ですか?」「今2時です」というやりとりがあり、3時が非常に遠く感じました(苦笑)


手術が終わって目覚めたのは、どうやら正午を過ぎて12時45分位のようです。手術の所要時間は麻酔を含めて3時間程度だったと推測されます。


そして3時が過ぎても、看護師さんはやってきません(^^) よくあることです。3時に来るのでは無くて、3時以降に来るという理解が正確だということを、さすがに入院生活を3週間も経験するとわかっています。


3時20分頃、呼吸器が外れてスッキリ。実際の所、3時頃には唾液・痰の苦しみは大分マシになっていたのです。2時台は、繰り返しティッシュを使っておりましたが^^;


さてまた新たな問題が発生します。「腰痛くなりませんか?ずっと同じ姿勢だと、起きてからも腰が痛くなりますよ」「はい、既に痛いです」


のどの苦しみがおさまってくると、腰や背中が痛くなってきたのです。全身麻酔中は、ぴくりとも動きませんね。通常寝ている時は、無意識に寝がえりをうって負担を軽減しています。全身麻酔中はそれがありませんから、かなり腰に負担がかかるのです。


しかし・・・寝がえりがうてない!!へその傷が痛み、身動きが取れないのです。「横になると楽になるのじゃないですか?」と看護師さんのサポートにより、横向きになろうとすると、お腹の中が「ゴボゴボゴボゴボゴボ!」と、プールで息を思い切り吐いたような音がします(!!)


な、何じゃ!?とビビりまして、また元の状態に戻りました(苦笑) 結局、大きなタオルをたたんで、左背中に挟み、腰を半分ちょっと浮かしたような状態にして、多少楽になりました。


「ベッドの中で寝がえりをうつのは良いですよ。立ち上がったり起き上がったりしてはダメですけど。寝がえりうちたい時は、また呼んでくれればサポートしますので」


腰の苦闘はまだまだ続くのですが、この頃にはへその手術傷の痛みも大分意識するようになってきました。「痛み止め必要なら言ってください」とは、吐き気止めをお願いした時から看護師さんから言われていましたが、スルーします。


我慢しているといえば我慢しているのですが、元々私は胆石が原因で、8月終わりに胆のう炎、そして9月の初めに黄疸を発症しています。胆のう炎は胆管に石が詰まって発症し、黄疸は総胆管に石が詰まって発症しました。黄疸は症状としては肝炎と同じで、生命の危険も出て来ます。胆のう炎も十分ヤバイです。


まぁどちらも非常に痛かった。それに比べれば術後の傷の痛みなんて、という気持ちでした。特に9月初めの黄疸の時は、倒れてしまい、救急車を呼ぶことになりました。この時は胆のう炎の治療を経験し、私自身、痛みの原因となりかねない食事には十分気を付けていたので、思いがけないことでした。「誰かがオレの胆のうから石が出て行くように、念をかけたのでは無いだろうな?」と疑ったほどです(苦笑)


何人かから、ヒーリングをしようかとお申し出があったのですが、その中のある人から「石が出て行くようにイメージすると良いですよ!」「石が出て行くようお祈りしてますね!」というメッセージがあって、「余計なことは止めてくれwww」と思っていたのですよ(苦笑) 胆石は、石が出る時に、強烈な痛みを伴い、上記のように生命の危険にさらされるのです。


「祈りったって、そんな石を排出するような物理的な効果は無いだろう」とは思っているのですが、やけに自信満々な方だったので、「ひょっとして・・・?」という気持ちは今でも少し胸の内にあります(苦笑)


(続く)