昔、エグセクティヴコーチングExecutive Coachingを一度だけしたときのこと。これは、お偉いさんの話を聞いて、下りてきたメッセージを伝えつつ、様々な相談にのるのですが。


そのお偉いさんは私のメッセージを、3ヶ月以上、折を見ては、じーっと眺めて、そして転職し年収が億単位になりました。


私と話せばあなたも年収1億円超えは夢じゃない!


等と言いたいわけでは勿論無くて。そんな収入どうやって稼げるのか私もわかりませんし、その人は元々年収数億円を得られるだけのビジネス的価値のあった人なので。


とはいえ私とちょっと話した位で、よくここまで成果につなげたな~という、その人の他者から引き出す力に、驚きを持ちました。


一連のメッセージをお伝えした後、「こんな私は経営者としての資質があるのか?」という問いに始まり、「経営と、神への信仰の関係」「社内で方針に反発する勢力への対応」など、抽象的な話から具体的な話まで、質問されました。


私にとってもこういうことは、後にも先にも一度切りのことだろうと思います。エグセクティヴコーチングを実施することは、私自身この先の人生で何度かあるかもしれません。しかし上記は、親子以上の年の差で行なったことです。私も年をとりますし、ひと口にエグセクティヴと言っても30代~40代の働き盛りの人達も沢山いらっしゃいます。


ようはありえない設定で行なわれたコーチング・セッションだったのです。今にして思うと、そのお偉いさんが奏でる人生の物語の中で、ちょっとした変化をもたらすために、「使われた」のかなと思います。


人は皆人生の主人公ですが、それと同時に、他者の人生の脇役でもあります。ある人が主人公の世界があり、その世界を動かす大いなるシナリオメーカーがいたとしたら、そのシナリオメーカーが、ちょっとした奇跡を仕組んだのでしょう。「お前、ちょっと来い」と、首根っこを引っ張られて、無理矢理連れて来られたというか(笑)