世界最大のSNS(ソーシャル・ネットワーク・サービス)フェイスブックを創業したマーク・ザッカーバーグらを描いた映画『ソーシャル・ネットワーク』を視聴しました。エンターティメントとして一級品の映画でしたよ~!



まずこの映画はザッカーバーグの伝記です。現在27歳の若者ですが、既に伝説の存在になっているのが、すごい(笑) 

そしてフェイスブック創業の原動力になったのが、個人的劣等感(ないし反発)の爆発として描かれています。

ひとつは恋愛。映画の冒頭でザッカーバークは、彼女に「あんたがもてないのはオタクだからじゃなくて、性格が最低だからよ!」と人格を否定されてふられます。映画では、気難しすぎる性格の嫌な奴として描かれているのです^^ そして腹いせに、女子学生の顔写真を比較して勝ち抜き投票させるサイトをつくって、学内で有名人になりました。大学からは処分され、女子学生からの評判は最悪になったそうな。


もうひとつはエリート集団への劣等感。ザッカーバーグはフェイスブック創業当時、ハーバード大学の学生でした。高校時代からプログラマーとしての才能も発揮しており、十分エリートのような気もしますが、ハーバード大学の男子学生の秘密結社ファイナル・クラブに入会できる見込みは無かったようです。ファイナル・クラブとは、男子限定の社交クラブなのですが、100年以上の歴史があり、社会階層の高いエリート同士の相互互助会的側面があります。お金持ちでかつ家柄の良い男の集まりということですね。欧米は階級社会ですから。


で、このファイナル・クラブのひとつに属する学生3名が、女子比較サイトを作ったザッカーバーグの能力に目をつけ、ハーバードの学生に群がる(笑)女子学生に出会うことを目的としたハーバード大学学生専用SNSの制作協力を依頼します。これにヒントを得たザッカーバーグは、3人からの依頼をOKした後、独自にSNSの制作を開始。友人に投資してもらって、フェイスブックが誕生しました。依頼してきた学生3名には黙って&接触を避け続けての実行です^^; 後に3名はザッカーバーグをアイデア盗用で訴え、50億円以上の和解金をもらったようです。


ネガティヴさの爆発から、大きなムーブメントが起こったり創造的行為が行なわれたりしますよね。マキャヴェッリの不朽の名作『君主論』も、不遇の天才による恨みつらみですし(笑)


映画でもうひとつ面白かったのは、ファイル共有ソフト「ナップスター」で有名なナップスター社を創業したショーン・パーカー。この人も天才で、かつトラブルメーカー^^ 投資家からフェイスブックに対する莫大な投資額を獲得し、海外への進出も実行するなど、敏腕ぶりを発揮しましたが、コカイン所持疑惑で逮捕され、フェイスブックを追放されます^^; 巧みな演説で大風呂敷を広げて、人を気宇壮大にさせる、常識人から見ればうさんくさいことこの上ない人物として描かれています。


浅ましい欲を持った登場人物達でいっぱいの映画ですが、僕には不思議とさわやかさを感じました。天才は何やっても許されるという感覚もありますし、みんな若いから、なんだか可愛いのよ(おっさんの感想だ・笑)