(連続小説)悔懺道 〜過去に引きずられ〜

(連続小説)悔懺道 〜過去に引きずられ〜

過去に人を傷付け続けたり、強い者に巻かれ続けた人間達を題材にしています。「事実」の欠片を掻き集めて作った創作話です。イジメをしていた人間は必ず制裁が加えられます。小◯田なんとかみたいに・・・。

趣味で小説書いています。

見えないSOSを発している人は沢山いる。


そういう人のSOSに僕は気付きたい。僕が誰にも助けてもらえず苦しい思いをしたから。


SOSを上手く発信できない人、表現できない人も沢山いる。

僕のように家族を心配させないために家の中ではSOSを発さなかった人もいる。


でもそれはどうしても身体に症状として現れてしまう。僕の場合、小学校6年生で髪の毛は白髪まみれになってしまった。


担任のイナガ◯は僕の変化に明らかに気付いていた。僕の見えないSOSにも気付いていたが最後まで気付かないフリをした。面倒な事に関わりたくなかったのだろう。また両親が学校教師のワタ◯ベチヒロを敵に回したくなかったのだろう。ただただ悔しかった。

何かあると「大人になっていくとみんな口数が減っていく」と言って僕の変化はそれなんだと生徒に刷り込んでいたのも悔しかった。アイツは教師としてだけでなく人間としても最低の奴だ。あの暴力教師はワタ◯ベ同様絶対に許さない。



周りの仲間も僕の変化には気付いていた。しかしワタ◯ベが怖くてみんな気付いていないふりをしていた。

アサ◯もヨ◯カワも。



人間って冷たいなぁ。



この遺言ページが皆に見つかる頃、僕はこの世にはいないだろう。

次生まれ変われたら何になれるかな。



あと1つ予言をしておこう。

20XX年1月6日 ワタ◯ベチヒロにある天罰が下される。



続く


※この話は勿論フィクションです。


「そもそもオオ◯ラって死んだんじゃなかったんですか?」

「死刑判決後、少ししてト◯タヨシエが捕まったから、再審が行われて無罪になったんや。しかし彼女薬物中毒やったから、公にはせずに出所させて、治療施設に引き取らせたんや。でも、まぁ、お前に命奪われてなぁ」

「だから違いますよ!!出所したなんて初めて知りましたよ!あ、マツ◯ラに連絡取って確認して下さいよ!ワタ◯ベ、いやクボ◯チヒロが突き落とされた場所で一緒にイチから真相追求し直すってことであの現場で会う約束をしたんです!俺自身、何かモヤモヤした部分があったんで。あの事件にはまだ何か見落としている部分があると思ってて」


暫く時間が経って刑事が帰って来た。

「マツ◯ラミカと連絡が取れた。そんな約束は一切していないって言うとったぞ」

「え?!・・・うそや!」

「嘘ちゃうわ。何なら通信履歴全部調べてもらって構わんって向こうは言うてたぞ」

「じゃあ俺がやり取りしてたんって・・・」

「まぁ、クボ◯チヒロの訳はないよな。とっくに亡くなっとんねんから。まぁ、他の奴ってことになるんかなぁ」

「でもなぜ指紋が・・・。いつ付いた指紋かっていうのは鑑定出来ないんですか?!」

「それは無理やな」

「クボ◯チヒロは結婚していたんですよね?夫はどこにいるんですか?あと、あいつには確か妹がいました!妹の居場所も突き止めて下さいよ!俺は完全に嵌められたんです!」


(続く)


この話は勿論フィクションです。

頭が薄くなってきたため、数年前から丸坊主にしている。

父親のように板前の職に就こうかとも思ったが、自分には続かないと思い、普通に就職した。高卒で就職したため、40歳目前であるが、給料はギリギリ生活していける程度の金額だ。


自分の人生の全盛期は20歳ぐらいまでだった。

小学校高学年からオレは異様にモテ始めた。中学校でラグビー部に入ってからはさらにモテの勢いがついて行った。

高校生になってからも彼女は絶えずいた。良く河◯町を歩いていると、同級生が俺たちを見かけ、羨ましく思っていたそうだ。

「ヨッちゃん、この前河◯町で女に横で『お昼お寿司がいい~』って強請られてたやろ。ええなぁ」

なんてことをツレから言われたこともあった。

20歳を過ぎ、仕事中心の生活になってからは次第に女性は離れて行った。


ワタ◯ベ、オオ◯ラ、ウ◯バヤシ、そしてアサ◯は死んだ。ト◯タは今刑務所だが、恐らく一生外には出てこれないだろう。


今日はあの忌まわしい事件が起こったこの場所で'あいつ'と会う約束をしている。身を潜め生きていたみたいだが、何とか居場所を掴み、今日に漕ぎ着けた。


男子生徒は死んでいない。20歳で白血病になったというのも恐らく単なる噂だ。同級生が24歳の時に普通にコンビニでバイトしている彼に会っている。彼がレジ対応をしたみたいだが、知り合いとわかっていながら一切目を合わさず、声もかけてこなかったらしい。・・・まぁ仕方ないだろう。俺も19歳の時にファストフードでバイトをしていた彼に一度会い、レジ対応をしてもらったが、目も合わせてくれず、もちろん声などかけられなかった。


・・・俺が彼のイジメに一番加担したようなものだから。



それら全てを清算する意味で今回この場で'アイツ'に会うことに決めた。必ず何かを知っている人間だろうから。

そして、このすべ、えっ?んっ?!




バサッ!!




大きな黒い布を背後頭の上から全身に被せられ、手に何かを握らされた。その直後、これは包丁とわかったが、わかった瞬間に何かが刺さった。



ズブッ・・・・・・




・・・肉が刺さる確かな手応えだった。



急いで布を剥ぎ取り、その場を確認すると、滅多刺しにされたウツ◯ヨウコ、旧姓オオ◯ラヨウコが倒れていた。


「えっ?どういうことやねん?!オオ◯ラって死んでたんちゃうんか・・・」






「お前があの場にウツ◯ヨウコを呼び出して滅多刺しにしたんやな、クボ◯チヒロの所持品やった包丁を使って」

「違いますよ!俺は頭から大きな布をかけられて、その時にナイフを握らされただけで。そしたら向こうからナイフに刺さりに来て。刺さったのは一度です!完全に冤罪です!」

「まず一度でも自分で刺してんねんから冤罪ちゃうやろ?まず、あの場に予め滅多刺しにされたウツ◯ヨウコが運ばれてって、そんなこと誰ができんねん!?布を剥ぎ取ったら誰もおらんかったんやろ!?それはどう説明すんねん!え!?」

「わかりませんよ!あとワタ◯ベチヒ、いや、クボ◯チヒロの包丁ってどういうことなんですか!!」

「包丁の取手からクボ◯チヒロの指紋がしっかり出とんねん。この世におらん人間の指紋がしっかりとな」

「・・・え、嘘や、そんなん・・・。俺はマツ◯ラと会う約束をしてここに来たんです!・・・え?、まさか・・・」



(続く)


この話は勿論フィクションです。

ワタ◯ベの死からかなりの年月が経ち、やっと事件は解決し、全ての恨みつらみは終わった。

ワタ◯ベは殺されても当然であるとしか言いようがない。あいつは所謂サイコパスだった。

クラスで飼っていた熱帯魚の水槽のエアーポンプのコンセントを放課後に何食わね顔で抜き、翌朝全ての熱帯魚が死んでいたにも関わらず、平然としていた。

クラスで飼っていたジュウシマツが卵を産んだ時にはわざと巣から卵を落として雛が孵らないようにしていたこともあった。勿論「私がやりました」とは最後まで担任教師には言わなかった。

担当していた栽培委員でも、水やりをサボって花を枯らし担任教師に怒られた際も怒られている時にだけ涙を流し、休み時間に入った途端ケロッとしていた。


あいつは家庭にも問題があったみたいやからなぁ。あいつの母親が知らない男に家の近くまで送ってもらっていたことがたまにあったらしいし。うちの母親も見かけたことがあったらしいけど「なんか怪しい関係に見えた」って言ってたし。

しかも参観日とか学校行事でワタ◯ベの母親が🏫に来てるのを見た事がなかったし。

それらが原因でワタ◯ベはあんな歪んだ人間になってしまったんやろうな。


死んだ人間達を力順に並べてみたけど、こんな感じやったなぁ。


ウ◯バヤシ>ワタ◯ベ>>オオ◯ラ≧ト◯タ


圧倒的にト◯タの力はなかったよなぁ。


そういえば、この前'あいつ'に似た奴を見かけたなぁ、別人やったんかなぁ。



※この物語は勿論フィクションです。

ワタ◯ベチヒロが殺された。俺はいつか必ずこうなるだろうと思っていた。
あいつは所謂クレーマーだった。

俺は小学校6年の時、あいつと同集団登校のグループだった。ワタ◯ベが班長だった。あいつとはクラスは違ったが、家が近所だった。

ある日の学年集会で、学年主任の先生が
「皆さん、6年生になってそろそろ1ヶ月が経ちますが、集団登校で何か問題や困っていることはありませんか?」
と先生が聞くと、ワタ◯ベが手を挙げて前に出て行った。そして、マイクを持ち、
「朝、いつも『並んで』と言っても並んでくれない人達がいます」と言った。
「それは誰や?」と先生が聞くと
「ク◯モト君とウ◯コシ君です」
と俺とウ◯コシの名前を挙げた。俺たちは前に出されこっ酷く怒られた。

俺たちは朝『並んで』と言われた時、いつも喋ってはいたが、必ず並んでいた。話を悪い方向に盛るタチの悪い女だった。

あいつが消えてくれて俺は本当に嬉しい。

ただ犯人は全く予想がつかなかった。まさかト◯タヨシエが犯人だったとは。まぁ正直なところト◯タ自体は影が薄くあまり覚えていないのだが。
意外とワタ◯ベと同じ塾に行ってたホン◯が犯人かなとも思ったんやけど。
ホン◯は俺と同じ陸上部やったけど、部活終わってからワタ◯ベと待ち合わせして塾に行くのがすごく憂鬱って言ってたの聞いたことあったし。

※この物語は勿論フィクションです。
僕がグループの男子と話していたら
「チーちゃん、慣れた人としか喋らへん人って嫌いやわー」
と自分のことをちゃん付けして僕に聞こえるようにマツ◯ラにしゃべりかけていた。こいつ、僕の事を無視しているくせに。僕を無視している人間に話しかけられるわけないやろ。ワタ◯ベを誰か消してくれないかなぁ。


今私は、男子生徒の秘密のページを見ている。

結局ト◯タヨシエ主催の同窓会にマツ◯ラミカは来なかった。出席すると返事をしていたらしいが、無断欠席だった。嫌な予感がしていたのだろう・・・。私は殺される予定だったし、その容疑を擦りつけられるのが自分だと感じていたのだろう。
彼女は昔からその辺の空気は抜群に読めていたので。


ブルルルル・・・

「もしもし。・・・えぇ、ニュースでやっている通り、ヨシエ様は、殺人未遂容疑で見事に捕まりましたよ。あなたの望み通りの葬り方しておきましたけど。あなたの言った通り、彼女、私を殺そうとしていたし。
・・・・・・それにしてもびっくりしましたよ。だってあなた生きてたんですもん。・・・でも、これからどうするつもり?」

「・・・取り敢えず裏の世界で生きて行きますんで。そうそう、早速美味しい仕事が入り込んで来まして。ある人の'タマ'取ったら500万、良い商売でしょ?」

「うわぁ、趣味悪・・・」 

「そんな気持ち悪がらないで下さいよー、先生ー」

「でも、今回の件、ある意味あなたは命の恩人だから今後もサポートはしてあげるけど」

「ありがとうございます。あ、ちょっと外見て下さい。今から'終了'の花火上がりますから」

「あ、うん、わかった・・・。
・・・どこから上がるんかなぁ、ん?、何、この眩しいの!? 
レーザー光?
うっ!!」




バタッ・・・。




「はい、これで500万円也。残念でしたー、クソツリ目さん。
今窓の外振り返って見る時に、左から振り返っていたら'今日のところは'見逃してやっても良かったんやけどなぁ。いやー、それにしても、ウ◯バヤシ本人がタマ取りの依頼者の名前を聞いたら驚いてたやろうなぁー」


(終わり)

※この物語は勿論フィクションです。
エレベーターで10階に向かった。
「ねぇ、ヨッちゃん、今回開催してくれた同窓会、何で5、6年のクラスじゃなくて、3、4年のクラスなん?」
「それは、私がウ◯ちゃんに会いたかったっていうのが最大の理由。ウ◯ちゃん、5年終わりで引っ越しちゃったから、5、6年のクラスで集まるとちょっと来づらいかなと思って。あとあんな事があったから・・・」
「そうかぁ、ありがとう。てっきり私が5年の時のクラスで、みんなが私の事嫌いだったからかなって不安やったんやけど」
「そんなんじゃないよ!ウ◯ちゃんの事、みんな好きだったよ!」

・・・思いっきり嘘をついてしまった(苦笑)。こいつが引っ越した後、特にチヒロはボロカスに悪口を言っていた。「あんな人間、絶対あっちの学校ですぐに嫌われるよ!」「あんなに遠慮なく発言してたら、社会人になって先輩からイジメられるよ」などと、こいつの鼻炎で鼻詰まりの声をモノマネしながら。

10階に着いた。エレベーターを降り、外廊下に出た。廊下には誰も居ない。よし、では作戦を進めるか。

「ねぇ、ヨッちゃんがチーちゃんをこうやって落としたんでしょ!?」
「えっ!?ちょっと何すんの、ちょっと!!」
落ちないよう、ウ◯バヤシの肩を必死で掴んでいた時、いきなり彼女がこう叫んだ。

「ヨッちゃん、早まらないで!!ねぇ、落ち着いて!!」


こいつ、何言ってるの?!


その直後その階の住人が3人ほど、『何があった?』という顔で出て来た。その直後、ウ◯バヤシが焦った口調で

「彼女が、『クボ◯チヒロを殺した責任を取る、もう耐えられない!』って言って、ここから飛び降りようとしたんです!だから、私は必死で止めたんです!」




「えっ?!!・・・」



ウ◯バヤシは下を向き、泣いた芝居をしながらこう言った。
場の空気が変わった事を察すると、顔を上げ、私を睨み付けた。ただでさえ吊り上がっていた目が更に吊り上がったように感じた。




・・・見事に腰が抜け、その場に座り込んでしまった。


・・・私の計画は最終段階を前に終わった。

・・・あいつ、私が犯人って知ってたんだ。


(続く)

※この話は勿論フィクションです。
「ウ◯ちゃん!」
「あ、ヨッちゃん、久し振り!元気してた?」
「まぁ、お陰様でこの通り元気かな。」
「今日幹事ありがとう。何か色々とあったよね(苦笑)。結局犯人はヨウコやったけど。まぁ、よくよく思い返してみたら、ヨウコはそういうことしそうな人やったし。ドSで非情で人が嫌がることも平気でしてたしね。女子なのに違う女子のズボン下げて楽しんでたりしてたよね。マジで『この子、頭腐ってるんとちゃう?!』って思うことあったし」
「そうだよねー、あんな事になるなんて・・・。」
「私はマユが犯人やと思ったんやけどね。給食の春雨好きやった子(笑)。『チュルチュル(春雨)、私の好物やねん!』って、普段良いもの食べてへんのかいって思ったけど。5年の三学期同じ班やったけど、ホンマにマユは頭悪かったわ。あれ二学期やったかなぁ?テストでカンニングばれて0点にされてたのって
「(苦笑)。あ、今からちょっと散歩しない?それもあって、開催時間よりウ◯ちゃんと待ち合わせ時間セッテイングしたんだけど」
「行こ、行こ!まぁ、何となくそういうことなんやろうなって予測はできてたけどね」

相変わらず、会話の中で嫌な性格がちらほらと見えた。記憶力がいいことも改めて感じた。しかし、ここまでは計画通りである。

「あ、前私達が住んでた団地見えてきたね!ウ◯ちゃんが住んでた1棟行ってみようよ」
「うん、いいよ」
「一番上の階に行こうよ、あの棟10階建てだったよね?」
「うん、じゃあ10階からこのニュータウン眺めようよ。もう全然'ニュー'じゃないけど(笑)」

そして二人でエレベーターに乗り、10階へ向かった。

(続く)

※この物語は勿論フィクションです。