20年間で9人の老人の後妻となり、結婚するか公正証書遺言を作成して遺産相続を約束させる。結婚ないし公正証書遺言作成後1、2年でその老人たちは事故死や病死をする--最近のニュースで聞いたことがある話を、作家・黒川博行は2年前に「後妻業」という小説で書いていました。


この小説によると、保険金がかかっていると警察も死因を詳しく調べるけど、遺産の相続なら警察もあまり立ち入らないそうです。


「後妻業」では、結婚紹介所の所長と主人公・小夜子がぐるになっていて、高齢者が登録会員になると財産届を出させてどれだけ持っているかを確認し、小夜子が「紹介」されて、遺産の巻き上げにかかるというしかけ。


結婚相談所の所長も主人公・小夜子もその弟も、全部極道につらなる悪人ばかり。


しかし、こういう人物はきっと存在するし、「後妻」をビジネスにしている女もきっと存在するはず。


ハードカバーで400ページもあるけど、読みだすと止まらないエンターテイメントです。