東京都医師会の広報誌「元気がいいね」の最新号(NO88)に、順天堂大学医学部病理・腫瘍学講座の樋野興夫教授が主唱している「がん哲学外来」という珍しい内容の記事がありました。


「がん哲学外来」のHPを見ると、がん患者やその家族の精神的な苦痛を緩和するため、医療現場と患者にある「隙間」を埋めるために、哲学的なアプローチをするために生まれたと書いてあります。


この記事によると、がん哲学外来では面談者とじっくり話し合うことを中心にしてるようですが、相談者が抱える悩みで病気や治療に関することは3分の1ぐらいで、残りの3分の2は人間関係なんだそうです。


「がんになったことによって、家族や職場の人との人間関係が気になり始める。元気で忙しいときは帰りも夜遅く、家にいないので家族との対話はほとんどないでしょう。ところが、病気になると家にいて、嫌でも患者さんとご家族が同じ部屋にいることになります。それが耐えられないんです」

と樋野医師は述べています。


確かにそういったストレスも、たまりがちになるのでしょう。

わかる気がします。


なお、がん哲学外来は、従来のようなクリニックの診療室で医師とがん患者(や家族)が対面するのではなく、お茶を飲みながら話し合いができる「メディカル・カフェ」を全国に広げるように活動を続けています。


がんという深刻な病気に立ち向かうには、医療だけではなく哲学的なアプローチも必要なのかもしれません。


がん哲学外来のHPはこちら。各地の志ある医師や教会関係者による「哲学外来」や「メディカル・カフェ」の案内も出ています。

http://www.gantetsugaku.org/index.php