熊本県医療・保健・福祉連携学会に出席しましたが、基調講演は熊本大学医学部教授田学先生。専門は神経精神科。愛媛大学医学部精神科神経科助手時代に愛媛県内の中山町から委託を受け、保健師さんたちと一緒になって認知症性疾患の地域疫学調査を行なった。その結果、認知症の内訳はアルツハイマー3分のⅠ、脳血管障害性認知症3分の1、その他が3分のⅠであった。
蕉夢苑 ブログ-崇城大学市民ホール内
日本人を含むアジア人の場合、脳血管障害後遺症による認知症が多いといわれている。これは早期に発見できれば認知症の予防が可能である。動脈硬化の危険因子である高血圧症、糖尿病、高脂血症などを早期に発見し内科的な管理を徹底することで2回目、3回目の脳梗塞を防ぎ、認知症の発症や進行を抑制することができる。これは保健と医療の連携によることになる。


脳血管性認知症の症状は、脳梗塞や脳出血の起こった場所や大きさ、数によって異なり、多彩であるが、意欲の低下という共通の症状もある。身体的なリハビリテーションだけでなく、意欲の低下に対して介護保険を活用し、廃用症候群を予防することが重要なポイントである。これは医療と福祉の連携によることになる。この活動の結果、愛媛県中山町における認知症の発生は3分の1減少した。