「登記官には形式的審査権しかないんだから字面があってれば登記を実行すればいい」、だのなんだの事務所の中があまりにもうるさかったのと、それそうなんだっけ?と思ってちょっと調べてみた。


直接の当事者ではないのでよくわからないんだけど、先日申請した商業登記が担当登記官の見解によって却下されるかどうかという問題になっているらしい。

どうやら新株予約権の行使による変更登記がらみで、そもそもの募集事項の決議が無効との登記官の見解なのかな。

で、申請代理人である司法書士側としては登記官には形式的審査権しかないんだから実体手続きには口だすな、っていうことらしいんだけど。

どうだっけ?。

商業登記法の24条に却下事由が列挙されているんですけど、そのなかに 「登記すべき事項に無効又は取消の原因があるとき」というのがあるんですよね。

手元のテキストを見ると。

「登記官の登記審査権はいわゆる形式的審査権であり、審査の範囲が登記事項の存否、効力の有無、取引原因の有無等、実体上の事柄に及ぶとしても、審査の資料は、申請書、添付書面および登記簿の記載に限定される。」


つまり商業登記の場合、全くの形式的審査ではなく添付書面等の審査範囲に限っては実質的審査権があるということですね。



司法書士の過去問にもありました。
平成12-28-ア
「商業登記における登記官の審査は、添付書類に基づく形式的審査であって、申請に係る登記すべき事項の存否等の実体関係には及ばない」

これは、誤りの肢として出題されています。



登記官が無効と主張している以上は、審査範囲から判明する無効原因があるから無効だといっている訳ですね。
逆にそうではないのに申請人に対して無効な登記だから却下する、とはいえない訳で。

まだ結論が出てないようですが、どうなるのやら。


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