一芸に秀でる人は、他のことでも覚えが早く優秀な成績を収めるものです。将棋の名手はチェスやオセロにも強く、野球が上手な人はサッカーやバレーボールもある程度上手です。それは思考回路、相手の裏をかく心理を理解していたり、体の使い方を心得ていること(俗にいう"運動神経が良い"こと)が理由です。それすなわち、を理解しているからです。


少林寺拳法の名手、ボクシングの元プロ、ImiKravMagaのBoaz先生、天道流の馬渕先生、共通することは対峙した時の、間の詰め方・視線の動きなどに表れます。ただただ色々な武術をかじっていても決して身につかないものを彼らはもっています。言葉にすると本当に小さなことばかりです。

「重心を少し前に」「肩の力を抜いて」「べた足にならないように」

その小さな小さな動きの集大成に、彼らプロフェッショナルの身体操術があるということを感じずにはいられない稽古でした。馬渕先生はそうした動きの原理を惜しげもなく伝授してくれます。一朝一夕には体現できないものばかりなのですが、「(生徒たちが)どうしてできないのかしら?」と不思議がる先生が、なんだかとてもおかしいです。


天道流の素晴らしい技を伝承するために、ひたすら稽古の毎日です。