日下武史さんが逝ってしまわれた。
劇団四季の創立メンバーの一人で、その論理に裏打ちされた知性溢れる演技、自由自在の台詞術は劇団員の誰もが憧れる存在でした。
僕は初舞台の次に出演した「エクウス」で初共演させて頂き、その後は「ハムレット」そして何と言っても「鹿鳴館」では影山伯爵と久雄として互いに火花を散らすような緊迫したシーンを演じさせて頂きました。
日下さんと台詞を交わさせてもらった事は今思い返しても震えるほど贅沢な幸せな時間でした。
普段はあまり多くを語らない方でしたが時々「あそこの台詞がよくないな〜、もっと緩急をつけて喋らないと…」と言って頂いたり。
その時は日下さんにお言葉を貰えるだけで本当に有り難かった。
若手にも分け隔てなく「おはよう」と笑顔で挨拶を返してくれる優しいお姿が印象に残ってます。
もう一度お会いして感謝を述べたかった…
本当に残念です!
気付いたら「ハムレット」と「鹿鳴館」の台本を引っ張り出していて、台本を読みながら日下さんの品のあるお声と台詞が頭の中を駆け巡っていました。
日下さんとご一緒できたことは僕にとって一生の宝物です。
日下さんがその背中で示してくれた事、今一度胸に刻んで俳優の道を邁進したいと思います。
本当にありがとうございました。
最大の敬意を込めて…