最初の記憶

私には2歳11カ月の頃の記憶が

鮮明に残っています。

それは弟が生まれた日の朝。

父がおらず泣いていると、

玄関に叔父さんが立っていて

『赤ちゃんが生まれたから病院に行こう。』

と私を病院へ連れて行ってくれました。

これが私の覚えている、1番最初の記憶…

だと思っていました。

ところが母と話しているうちに

弟が生まれる前に、母と産院へ行ったこと、

病院へ行く途中のバスの中でのこと、

母のお腹が大きかったことまで覚えていました。

どうやらその前後の記憶が

割と断片的ですが、鮮明に残っているようです。

弟が生まれて母がまだ入院している時、

父方の祖母が私の世話のために

来てくれていました。

祖母が私のために作ってくれたおにぎり。

一生忘れません。

何と砂糖で握られたおにぎりでした。

不味くて食べられず、泣きました。

そして家事が何もできない父が

私のために作ったインスタントラーメン。

ラーメンだと思って作ったものは

日清の焼きそばだったので

これも不味くて食べられず、泣きました。

『お母さん早く帰って来て。』

と大泣きしました。

それから母と生まれたばかりの弟と、

三人で母の実家へ行くために

新幹線に乗ったのですが、

弟を抱いた母と私が並んで座っていると

その隣に知らないおばさんが座りました。

おばさんがどう言う訳か、私を膝の上に乗せ

私は座り心地が悪いのに嫌だと言えず

とても不愉快だったことを覚えています。

2歳11カ月から3歳になったばかりの頃の

記憶があるのに、

その次の記憶は5歳までありません。

娘を見ていて

娘が覚えている最初の記憶は何なんだろうと

ぼんやり思いました。

嫌な思い出じゃなければいいな。