2022年11月17日(木曜日)

 

ホラーな話ではありません。

一人でビビってただけで。

今日も誘拐されました。

話は後半で。

最後にはデザートもついております。

長編につき夜更かし注意です。

 

松竹一郎。

 


 

特設緩和ルーム籠城10日目。

(訪問者3名+宅急便のおにいちゃん+管理人のおばちゃん)

ちなみに本日の体重は55.3キロ(+400グラム)

起床10時。体調に異常なし。

 

【深夜のイイネ事件】

昨日はまいどおおきに食堂でご馳走になって、お腹もいい塩梅で、残すはブログを書くのみ。

ここまでは順調だった。

「今日こそ早よ寝たる」

緩和ルームの布団に横になるが、ついついスマホをみてしまう。

もう私自身がみんなのコメントにハマってしまって、返事するのが楽しくて楽しくてしょうがない。

「誰かコメントしてくれへんかなぁ・・・」

そんなことを思いながらウトウトしてちょっとだけ寝てた。

「いっ、痛っ!」

弱い肩の痛みは夜に入って少々自覚はしていたが、夜中の3時にドン!ときた。

あわてて肩に痛み止めのフェイントテープを貼るが、痛みを抑えるまでには至らない。

「いっちょ飲むか。」

禁断のオキノームに手を伸ばす。

骨転移の人とかには毎度お馴染みのヤクだが、私は初心者だ。

しかし一度飲んで、その威力は知っている。

「どうせなら時間も計ったろ」

同時にツイッターの画面を開く。

1袋飲んで計測開始。

 

・ツイッタースタート。

しばらくして、画面をみると♡に1がポツンと灯いた。

「だっ、誰や!?」

肩は死ぬほど痛い。

しかしそんなことより♡1にビックリした。

「み、見られてる・・・」

 

・5分経過。

痛みが和らいできた。

再度ツイッターを開く。

「ピコ〜ン」

再び♡に1がポツンと灯いた。

「・・・」

もう肩痛どころではない。

 

・その9分後、肩の痛み完全消失。

14分で試合終了。ヤクの威力恐るべし。

すかさず「ピコ〜ン」

再び♡に1がポツンと灯いた。

さらに「ピコ〜ン」

♡が2になった。

「ひ、ひとり増えてる!!」

 

思わずつぶやいてしまう。

念のため、ドアの外を確かめる。

誰もいない。

ともかくあわてて・・・寝た。

(了)

 

 

【大量の差し入れ】

昼過ぎ、兄登場。

両手に大きな紙袋を抱えている。

「ど、どうしたん?」

「着替えを持ってきたぞ」

大きな紙袋がパンパンになってる。

「ブログを見てたらいつも同じ服や」

「それでは俺の沽券に関わる」

沽券はともかく、着替えはありがたい。

なにせ、着の身着のままで病院を脱出したので、着替えまでアタマがまわっていなかった。

おまけに今はその時よりずっと寒い。

それにしてもこんなにたくさん。

おまけに全部モコモコだ。

よく見るとヒーター付きのベストも入ってる。

「これは温いで」

「1万5000円取られた」

く、狂ってる・・・。

 

さらにヘンテコリンなものが目に入る。

「こ、これは?」

「クスリの入れ物や」

しかし、24日までしか入れるところがない。

「クリスマス用やからなぁ」

「・・・」

「あとはなんとかしてな」

それと日付の並びが無茶苦茶になってる。

「ゲーム要素も入ってる。間違えたらアカンで」

間違うヤロ〜!!!

 

そして、最後の極めつけをポケットから出してきた。

「なんやそれ?」

「メガネや。黒のメガネは縁起が悪い」

「今日からはこれにしとき」

しぶしぶ掛けた。

「お〜ソレソレ!よう似合う!」

このやりとりを67歳と64歳のじいさん二人がやっている。

「あっ、パンツ買うの忘れた!」

「パンツはいらんで!俺は紙オムツや」

「そうやったな」

 

「中に着る服は○○子(兄の次女)が今頃試着してるとこや、どっかの店で」

兄の次女(要は姪っ子)は今の私とほぼ同じサイズなのだ。

「あいつに入ったらオマエにも入るやろ」

「明日も持って来るのか?」

「モチロンや」

「こんなことばっかりしてて大丈夫なんか?」

「俺にもわからん」

「もう、オモロなってしもて、止められへん」

「助けてくれ」

 

絶対、俺のモルヒネ黙って飲みよったに違いない。

(了)

 

 

【松竹、抗がん剤(寿司)を食う】

午後5時、兄から電話が入る。

「ところでオマエ大丈夫か?」

「えっ、なにが?」

「毎日アホみたいに食べてて」

「誰のせいやねん」

「もう俺には止められへん」

「食べれるか?」

「確かにお腹はちょっとすいてる」

「ほな、しばらくしたらここを出発する。待っといて」

こうして4度目の夜の抗がん剤探しの旅が決定した。

・・・車中にて・・・

「ところで今日はどこへ?」

「今日はお前にコメを食べてもらう」

「コメ?」

「やっぱりコメを食わんとな」

途中兄嫁と合流してついたのがココ。

和食レストランさと。

「ここで和風雑炊を食べてもらうで」

「雑炊かぁ」

「俺はお前にコメを食べさせる」

内部の様子

 

雑炊の予定だったが、メニューを見ていたらお寿司が目に入った。

「俺、お寿司にするわ」

「食べれるんか?むりしたらあかんで」

「いや、コンビニの寿司で実験済みや。その時は食べれたで」

「確かに寿司はコメやからなぁ。よっしゃ今日はこれにチャレンジや!」

ビフォー

完食にはちょっと手が届かなかったが、ほぼ完食できた。

「お〜食べたなぁ」

「最初から食べれる自信があってん」

「よっしゃ!また関門突破したな」

「ところで俺デザート代わりにぜんざい頼むけど、お前も食べるか?」

「もう、無理・・・・」

(了)

 

【本日の抗がん剤】

・朝はバケット2個、コーンスープ、青汁

そしてワタナベコーヒー

 

・昼は韓国のトッポギにチャレンジしたが、辛すぎて早々にギブアップ。

代わりにカロリーメイトのチョコレート味を食べた。

 

・夜は上の通り。

 

私の兄は特に私が緩和に移行せざるを得なくなった時から、自分にできることを考え続けてきてくれていたのだろう。

なにかお返しをしたい思いは募るばかりだが、今の私にできることは頑張って目の前の美味しい抗がん剤をやっつけることだけだ。

特に私のブログを見るようになってから、

「こんなことやってるけど、これって本当にがんで苦しんでる人の役に立ってるんやろうか?」とよく口にするようになった。

「なってる、なってる。届いてるよ」

 

おもしろいことを書き続けようと毎日ブログをアップしてるけど、

本当の俺はそのことがありがたくて毎晩一人緩和ベッドで泣いてる。

 

さっ、冗談は横に置いといて今日はデザートをもう一品用意しています。

そろそろ日付も変わります。

今は亡き我が心の友であり、モーラ島中の名付け親でもあるこの方の落語でおやすみなさい。

 

らも落語(中島らも)

笑いすぎにご注意ねがいます。

 

 

何はともあれ今日も元気でヨカッタヨカッタ。

普通に生きてます。

緩和がナンボのもんじゃい!

 

では今日はここまで、あ〜りが〜とさ〜ん!♬♪

明日も更新するよ〜!

コメント、メールちょうだいね。

真夜中でも返事するで〜!

 

 

いつも最後までお読みいただきありがとうございます。

いいね!やコメント感謝しています。

フォローしてくれてありがとサン。

 

みなさんどうぞお大事に。

 

松竹一郎。

 

 

私のがんは消えている。

(俺は奇跡のラッキーマン!)

 

ツイてる。

消えてる。

うれしい。

たのしい。

ありがとう。

 

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俺はあなたと話したがってる。