2022年6月30日(木曜日)

 

 

ごはんが食べられない。

体重が減り続けている。

倦怠感がなくならない。

 

私にはすべてが該当します。

あなたはどう?

 

松竹一郎。

 


 

がん患者特有の痛み、疲労感や倦怠感。

 

それががんそのものに起因することなのか、あるいは抗がん剤の副作用によるものなのか、それとも別の理由が存在するのか。

 

私の場合、半年前から始まった食欲不振、それに伴う顕著な体重減少から「がんの悪液質(カヘキシア)」を疑い、私の症状が本当にカヘキシアによるものなのかを多角的に検証したいと思い立った。

 

今回は「私は本当にがんの悪液質(カヘキシア)」に冒されているのかを前編で、そしてその治療薬である「エドルミズ(一般名:アマモレリン塩酸塩)」についてを後編で、2日に分けて検証します。

 

始めに、明日の後編で検証するがん悪液質の治療薬「エドルミズ」はすべてのがん患者が対象となっているわけではありません。

 

製造元の小野薬品では対象患者を「切除不能な進行・再発の非小細胞肺がん、胃がん、膵がん、大腸がんのがん悪液質患者」と特定しています。

 

よって、あなたが自身の症状からがん悪液質を疑われても、上記のがん腫以外は適応外となることをあらかじめご承知ください。

 

 

私は本当にがん悪液質に冒されているのか?

 

【前編目次】

(1)がん悪液質患者の定義

(2)私ががん悪液質患者である可能性

(3)マーカーと悪液質の関係

(4)犯人は誰だ

(5)食欲不振の検証

(6)がん悪液質のなにが不都合なのか

 

【私の体重の推移】

(月曜の体重のみをプロットしています)

 

(1)がん悪液質患者の定義

 

前述の小野薬品ではがん悪液質患者を以下のように定義づけている。

 

1. 進行・再発のがん患者であること

 

2. 6ヶ月以内に5%以上の体重減少と食欲不振があること

 

3. 栄養療法等で十分な効果が得られていないこと

 

4. 上記に加えて、下記条項に2つ以上該当すること

 

①疲労または倦怠感があること

②全身の筋力低下が認められること

③下記の内1つ以上該当すること

・CRPが0.5mg/dl以上

・ヘモグロビン(Hb)12g/dl未満

・アルビミン(ALB)3.2g/dl未満

 

 

(2)私ががん悪液質患者である可能性

 

定義と照らし合わせて見る限り、特に代表的指標である「6ヶ月以内に5%以上の体重減少」についていえば

私の場合、6ヶ月で72キロ→63キロ(12.5%の減少)なので、がん悪液質患者と考えて間違いないだろう。

 

他方、③のCRP、ヘモグロビン、アルビミンについてはそのどれも該当しない。

前回より悪化した今回の採血結果でさえ、

・CRP 0.06mg/dl

・ヘモグロビン(Hb)14.8g/dl

・アルビミン(ALB)4.1g/dlであった。

この数値を見て、「この人はがん悪液質患者です」という医者はいないだろう。

 

私はこれらの数値が投薬条件を満たしてからでは手遅れだと思うし、それは抗がん剤にも当てはまるのではないかと感じている。

 

医者の意見を待って、機会を逸してからでは遅いのだ。

 

 

(3)マーカーと悪液質の関係

 

まったく個人的な推論ではあるが、採血でなにか予兆のようなものはなかったのかと思い、改めて見てみるとやはりあった。

毎度お馴染みの棒グラフだが、改めて一緒に見て欲しい。

 

 

上がりも下がりもしなかった私の体重が下がり始めたのは1月に入ってからだ。

それまで100台をうろついていた腫瘍マーカー(CEA)が約一年ぶりに200近くに跳ね上がったのが去年の11月。

そこから1ヶ月遅れて、アルビミンとCRPが反応している。

特にCRPの0.6mg/dlは私にとっては異常値であり、その時のブログでもそのことに言及してはいるが、翌月にはいつもの数値に戻っていたため、一過性のものと判断していた。

今から思えば、このCRPの異常値ががん悪液質の始まりであったと考えて間違いない。

確かにヘモグロビンもあきらかに下がり始めていた。

 

 

(4)犯人は誰だ

 

「あらゆる事象には必ず原因がある」

天才物理学者ガリレオを演じた福山雅治が毎回言っていた。

 

それを見つけるためには、まず発症月を特定する必要がある。

私は採血の結果(各マーカーの動き)から、発症月は去年の9月と断定した。

 

いったいその頃、私は何をしていたのか?

ブログで確認すると、8月4日にオキサリプラチンを初めて投与していた。

 

この時はオキサリプラチンの代表的な副作用である「末梢神経障害」にばかり気をとられていたが、それとは別にがん悪液質のスイッチが押されていたのだ。

 

言うまでもないことですが、これはあくまでも私の個人的な感想です。

 

すべてのオキサリプラチン経験者に当てはまるかどうかはわかりませんが、私は「オキサリプラチン」を犯人と断定しました。

 

程度の差はあれ、心当たりのある方が必ずおられるはずです。

 

 

(5)食欲不振の検証

 

犯人が分かったからと言って事件が解決したわけではありません。

体重はともかく、いつから食欲がなくなり、ごはんが食べられなくなったのか。

 

実をいうと、私はがんに発症してから、毎日食べたものを克明に書き残しています。

1、2月の内容を見る限り、体重の減少が始まっているにも関わらず、ごはんは普通に食べられています。

3月に入った頃から食欲が減少していることを意識し始めています。

4月も食欲は相変わらずですが、体重が元々目標にしていた67キロ前後で推移していたことから、あまり悪いこととはとらえていませんでした。

5月に入った頃から徐々に白いご飯を受け付けなくなり、結果的に炭水化物ダイエットのような状態になりました。

6月に入ってからは、お昼におかゆを食べるのが精一杯で、夕食はほとんど食べられず、合間を高カロリーのゼリーなどで埋める状態が続いています。

 

それでも6月の後半から、わずかとはいえ回復傾向にあり、昨日のブログでも書いたように、ラーメンを完食できるケースが今後も増えそうな気がしています。

 

 

(6)がん悪液質のなにが不都合なのか

 

食べたいものが食べられないのは本当に辛いことですが、私の場合は今の状態が家族にばれないかどうかが最大の懸念事項です。

 

ただでさえ、リウマチでガリガリの嫁や、うつ病でヘロヘロの娘の前で、末期のがん患者丸出しの姿を見せるわけにはいきません。

 

幸いなことに、我が家はテーブルを囲んでみんなで食事を楽しむタイプではないので、食べ残し(ほとんど食べ残していますが・・・)を黙ってバレないように始末していますが、一度嫁にバレそうになったことがあって、その時は冷や汗をかきました。

 

今のところ、痩せているものの、死を予感させるレベルにはいたっていないので問題はありませんが、ここからさらに痩せるとなると、別のステージになってしまうので、60キロ台を死守せねばなりません。

 

現実問題としては、毎日の通勤が辛く、バスや電車で立っていることができません。

横断歩道の信号待ちでもしゃがんでいることが多く、正直毎日憂鬱です。

 

7月6日にサプライズでUSJに行くことが決まっていますが、おかゆ頼みの現状ではそれも難しいかも知れません。

 

 

最後にネガティブな話になってしまい恐縮です。

 

明日は後編として、がん悪液質の治療薬「エドルミズ」について書きたいと思います。

 

 

 

 

今日はここまで。

 

 

 

 

【今日の松竹一郎】

( )は前日比

・体重:62.7kg(-0.5)

・体温:36.4℃(-0.2)

・血圧:148/93(+11/+4)

・握力:右34.3 左35.8(-2.4/-0.8)

・指力:右14.1 左13.2(-0.5/-0.1)

・血中酸素濃度:98(+-0)

・シビレ:2点(+-0)

・冷感刺激:0点

・倦怠感:1点

・食欲:(50%)

・排便:(正常)

・排尿:(正常)

・歩数:2,526歩(前日)

 

今日もいい天気でございました。

 

 

いつも最後までお読みいただきありがとうございます。

いいね!やコメント感謝しています。

フォローしてくれてありがとサン。

 

みなさんどうぞお大事に。

 

松竹一郎。

 

 

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