切り抜きがん情報 0201  2021年10月10日

 

 

化学工業日報

(2021年10月5日号)より

 

 

大腸がん細胞表面

リンパ球標的分子発見

札幌医大

 

札幌医科大学の金関貴幸講師、鳥越俊彦教授らの研究グループは、大腸がん細胞の表面に特有のリンパ球標的分子が存在することをあきらかにした。

従来、たんぱく質を作らないとされる「非翻訳RNA」の一部が断片的に翻訳され、がん細胞の表面に現れており、そこをめがけてリンパ球が攻撃することを発見した。

がん免疫療法の標的分子としてメッセンジャーRNA(mRNA)製剤と組み合わせたがん予防ワクチンなどへの応用を見込む。

 

ヒトのリンパ球には、がんを攻撃して弱らせる機能があるが、実際にどの分子を標的として、がん細胞を攻撃するのかは明確でなかった。

研究グループは、次世代シークエンサーを用いた新たな解析技術を開発し、これまで研究があまり進んでいなかった長鎖非翻訳RNAの解析をおこなった。

その結果「PVT1」という非翻訳RNAの一部が断片的に翻訳され、分子としてがん表面に露出、攻撃対象となっていることを突き止めた。

 

がん免疫療法の標的分子として有用だとしており、抗体製剤などへの開発寄与を見込む。

また、mRNAワクチン技術の応用で、がん予防ワクチンの開発が可能だとする。

 

 

 

記事はここまで。

 

 

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