2018年7〜8月
私のやっている直腸(大腸)がん用抗がん剤治療「アバスチン・ゼローダ療法」は基本的に8回を1クールとしておこなう。
「アバスチン」の点滴から始まって「ゼローダ」を朝晩2回服用、これを2週間続けて、1週間休む。
これで1回。
これを8回繰り返す。
約6ヶ月の長丁場だ。
抗がん剤治療は「がん」の戦いであると同時に「副作用」との戦いでもある。
抗がん剤治療前35.0Hあった腫瘍マーカーの数値は
1回目の抗がん剤治療終了時で16.4Hに
2回目の抗がん剤治療終了時で9.7Hへと順調に下がっていた。
この間おこなわれた造影CTでも「がん」はわずかながらも小さくなり始めていた。
アバスチンとゼローダが頑張ってくれているのだ。
しかし、この頑張りが次なる問題を生み出す。
副作用だ。
抗がん剤の副作用で真っ先に思い浮かぶのはやはり「脱毛」だろう。
私も来たるべき日に備えて、ネットで「ニットの帽子」を検索したりした。
結局「ニットの帽子」の出番はなかった。
抜けなかったからだ。
「アバスチン・ゼローダ療法」は必ずしも「脱毛」を伴わない。
その代わりというのも変だが、ゼローダの代表的副作用「手足症候群」の兆候が早々と現れ始めていた。
ちょっと汚いが私の「手」我慢して見ていただきたい。
「足」もお見せしたいが、こっちは見るに堪えないので割愛する。
これが1回目の抗がん剤治療終了時の私の「手」です。
あきらかに兆候は出ていますが、閲覧注意まではいっていません。
「しびれ」もわずかながら出ています。
2回目の抗がん剤治療終了時の私の「手」です。
見た目的にも「ただ事でない」様子がうかがえます。
「しびれ」はかなり出ていますが、生活に支障があるところまではいっていません。
3回目の抗がん剤治療終了時の私の「手」です。
「水ぶくれ」もできて(特に足はひどかった)。皮がめくれています。
「しびれ」は相変わらず出ていますが、まだ我慢できるレベルですが、コンビニでおつりをもらうのはプレッシャーでした。
ろくに手も洗わない「汚いおやじ」と思われただろうな。
実際、化学療法室の専任薬剤師に言わせるとこれは「相当ひどい」レベルだそうだ。
処方された保湿クリームをこまめに塗るよう指示されていたが、そんなもの、くその役にも立たなかった。
同情はしてくれたが、言葉とは裏腹に看護師を含めた3人に写真を撮られまくった。
特に足の裏は水ぶくれがひどかったので、念入りに撮られた。
なにかの資料に使われるのかと思うと我が「足」が気の毒だ。。
恥ずかしいついでにやっぱり「足」もお見せすることにする。
仕事時間の大半をマック(マッキントッシュ、マクドではない)の前で過ごす私にとって、指のしびれは重要な問題であったが、幸い作業に支障が出るまでには至らなかった。
手がまっ黒になってもキーボードさえたたければ仕事はできる。
ところが、それだけでは終わらなかった。
思わぬ伏兵がすでに準備を整えていたのだ。
想像だにしなかったことが指に起こっていた。
指紋がなくなっていたのだ。
本文ここまで、明日に続く。
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◎優先順位に気をつけよう
副作用に限らず、「がん患者」には「がん」以外のストレスが山ほど発生する。
特に家族思いのお父さん、お母さん、仕事を始め、責任感の強い人ほどストレスは大きくなる。
「いい人」はストレスの格好のお客さんだ。
「悪い人」になれとは言わない。
しかし「優先順位」の1位は「死なない」ことだ。
生きてさえいれば、家族サービスも山ほどできる。
「元気」「健康」を取り戻すことこそが最大の家族サービスだということを忘れてはならない。
楽しいことは「がん」をやっつけてからゆっくり考えよう。
「がん」は逃げる奴には強いが、立ち向かってくる奴には案外弱い。
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