2017年11月1日

 

市立病院での大腸カメラから2日後、私は外科の担当医と向かい合っていた。

 

大腸カメラのときに会っているので、今日は2度目ということになる。

 

1度目は大腸カメラに先立ち、夫婦で診察室に呼ばれていた。

 

事前に嫁の同伴が求められていたのだ。

 

外科の担当医も内科同様、肩書きは部長であった。

 

もし、手術となればこの人が執刀医になるのだろうか。

 

内科の医師と比べ神経質そうな表情が気になった。

 

どう見ても里見タイプではない。

 

かといって財前タイプではもっとない。

 

話の内容は主に、私の生活習慣や家族構成等について嫁に質問をするという形がとられた。

 

もちろん私もいくつかの質問を受けたが、脅し口調が目立ち、あまり良い印象は持たなかった。 

 

・・・・・・・・・・

 

 

以来今日が2度目の対面となる。今日は私一人だ。

 

そのときの医師が話した内容をかいつまんで言えば次のようになる。

 

 

1、がんが相当大きいこと。

 

2、転移の可能性が考えられること。

 

3、造影CTでも転移までは見つけられなかったこと。

 

4、手術の際は人工肛門になる可能性が高いこと。

 

 

ここまでの話はクリニックの院長とさほど差はない。

 

それらの説明の後、担当医が言った。

 

「PET-CT(※)を撮ることをすすめます。」

(※ PET-CTについては明日詳しくお話しします)

 

「PET???」初めて聞く言葉だった。

 

ただのCTではなさそうだ。

 

ちなみに「PET-CT」の設備は市立病院にはない。

 

事務的な説明を簡単に受けた後、私は医師に質問した。

 

「そのPET-CTで、もし転移が見つかったらどうなるのですか。」

 

この後の医師の言葉に私は愕然とした。

 

 

「そんなこと、私に言われても・・・。」と確かに言った。

 

 

続けて「その場合は遠隔転移ということになり、私の手には負えません。」

 

「手術も不可能だと思います。」

 

「内科で延命治療をおこなってもらうことになります」

 

担当医は無表情のまま、まるで他人事のように、しかも立て続けに答えた。

 

「そっ、そんな。」

 

私の顔は青ざめた。

 

その医師の顔は相変わらずモニターを向いたままであった。

 

「もし、PET-CTで遠隔転移が見つからず、手術をすることになったとしてもこいつに切られるのだけはまっぴらゴメンだ。」

 

事前に用意されていた「PET-CT」の設備がある大阪の大きな老舗病院への紹介状とそのパンフレットをひったくるように受け取った私は、急いで診察室を後にした。

 

 

本文ここまで、明日に続く。

 

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【追記】

 

この医師と病院の名誉のためにあえて書きます。

 

結果的にこの医師は2ヶ月後にこの病院を去られることになります。

 

どのような事情があったのかはうかがい知ることもできませんが、細かいことはさておき、長期治療が避けられない私の主治医を自ら辞退されたのでないかと勝手に推察しています。

 

いずれにせよこのときの私はあきらかに「怒って」おりました。

 

当時のこととは言え、修行の足り無さを反省いたしております。

 

 

 

 

 

◎医者のことも考えてあげよう。

 

あなたにとって、お医者さんは一人でも、お医者さんはたくさんの患者さんを相手にしなければなりません。

短距離走のように瞬間的にはチカラを出してはくれますが、いつもあなたのことを気に掛けている余裕はありません。

「がん」のように診療が長引くケースでは、お医者さんは直近のデータを優先する傾向にあります。

できれば、採血のデータ等は受け取りっぱなしにせず、時系列に並べて数値の変化がわかるものを自ら用意すべきです。

私はそれに毎回目を通してもらうようにしていました。

これについては改めて詳しくお話しします。

 

もちろん「がん」は正しいデータや蓄積された情報も苦手です。

 

 

 

お知らせです。

できればスタートからお読み直しください。

 

今更ながらで申し訳ないのですが、

「がんを消し去るメソッド」の掲載をすっかり忘れていました。

すべての文章に改めて掲載しました。

よければお読みください。

 

 

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