JR東日本の運転士が、有給休暇を取得した翌日に「始発でも間に合わない早朝勤務」を指定され、遅刻処分を受けたとして会社を提訴したニュースが波紋を広げています。
会社側は「前泊用の寝室を提供しており拘束はしていない」「移動は労働時間外」と主張し、安全運行のための厳格なシフト管理を盾に正当性を訴えています。
しかし、事前に申請され会社も把握していた有休に対し、「全体の運用が崩れる」「他も真似したら回らない」と言い訳をする姿勢には首を傾げざるを得ません。
突発的な欠勤ではなく、あらかじめ分かっている計画に対して柔軟な人員配置ができないのであれば、それはシフト管理の限界ではなく、経営基盤や人員計画そのものの構造的な破綻です。
人手不足のツケを、現場の労働者に「前泊という事実上の休日拘束」や「遅刻処分」という形で押し付けるのは、経営側の責任転嫁に他なりません。
この「組織の統制」や「前例主義」を最優先する頑なな姿勢は、激しい労使対立と硬直化した組織運営で民営化を余儀なくされた、昭和の「国鉄時代」の発想そのものです。
令和の現代の経営において、従業員を大切な資本と捉える「人的資本経営」やESG(環境・社会・ガバナンス)の観点はもはや常識です。
インフラ企業としての重い公共性を背負っているからこそ、誰よりも人を大切にする先進的な企業であってほしいという、国民、利用者、そして投資家の願いの重さを、経営幹部は全く理解していないように映ります。
組織のメンツを守るために裁判で徹底抗戦し、企業のブランド価値を落とし続ける姿は、近代的な経営センスの欠如を露呈しています。
こういうことをやっていると、株価が下落しかねないのが令和の経営環境ですよ。
「人を大切にしない企業は、やがて深刻な人材不足を招き、運行維持そのものを崩壊させる」という未来予測に、経営陣は一刻も早く気づき、アップデートしてもらいたいのですが、
「昭和脳」の経営陣には無理かもしれないですね。